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【あっさじーん伝記】 局部壊死

 ある日の雑談で、あさちゃんがゲームを貸してくれることになった。

私 「それじゃ月曜にお願いしたいです」
あさ 「わかりました」
私 「ついでに中本へ行きませんか?」
あさ 「うーん金が・・・」
私 「中本代はお出ししますよ」
あさ 「 high! 」

 その後、他の方にも久しぶりにお会いしたいということで、町田スリーファイブを粉砕したかもしん氏と、競馬沼にハマるかなでちゃんを誘うことにした。タイミングの良いことに2人ともすぐに参加を確定してくれた。

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    私は幹事として面子の要望をできるだけ聞きたいと思っている。それぞれに何時から来られるか聞いて集合時間を決めるのは当然だ。そこで「何時頃が良いだろうか」と逆に質問されては話が一向に進まない。

 かなでちゃんが根が真面目なタイプというのは事実かもしれないが、騒がれるのが嫌な人はあさちゃんについてnoteを書いたりはしないだろう。結局のところ、彼の周りの人間のほとんどは彼を楽しんでいるのだ。

 というか、そもそも抑えることなんてできないから無用な心配である。

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 忘れ物を防ぐには、あらかじめ持ち物リストを作り、出発の数分前からチェックリストを片手にすべての持ち物を確認するだけでいい。もしくはバッグなどを用意して、持っていくべきものをそこに放り込んでおけばいい。

 そういえばあさちゃんはショルダーバッグを持っていたな、とふと思い出した。森くんと競艇場へ行ったころに買った、彼によく似合うあのバッグだ。

 どこで入手したのかは不明だが、あのバッグがあれば問題ないじゃないか。そう思った私は彼に訪ねてみた。


 しかし



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やはり彼は期待を裏切りません




 彼はあらかじめどういう遊びをするかきちんと決めたがる性格なので、この日もどんなゲームをどんなレートで行なう予定なのか、こと細かく訊いてきた。

 その内容にOKを出すかどうかは「自分が破産する危険がどのくらいあるか」というのが判断基準になる。

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 「本人には言わないように」と書かれているので、口には出さずにセット前にかなでちゃんに見せたところ、とても落ち込んでいた。素晴らしい。

 以前からの彼のツイートを見てわかるように、四麻に関してはかなでちゃんを完全に同格として見ている。原因は天鳳の最高到達段位だろう。この指標は「どれだけ上まで噴射したことあるか」の指標でしかないため、それによって実力をはかることはかなり難しい。あさちゃんもまやかしの指標に騙された哀れな被害者の一人なのである。

 このままではかなでちゃんへの誹謗中傷・名誉毀損であさちゃんが訴えられる恐れがあるので、マイティ東天紅の腕についてどう思っているのか訊いてみた。

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 「マイティでは彼に敵わない」ととても褒めていた。まやかしの指標に騙されず自分で考えられるのは素晴らしいことだ。

 とはいえ、彼のためにも競技は「すごろく」一択だろう。なにせ理論上は期待値が完全に等分されますから。



 セット当日。

 あさちゃんに頼まれたとおり持ち物のご確認をさせていただいた。

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    1回きりのメッセージでは確認してもド忘れしたり人格が変わってしまう危険があるため、1時間半ほど空けてのダブルバレルだ。

 待ちあわせの13:00から10分ほど遅れてあさちゃんが登場。かもしん氏、かなでちゃんにすごろくのルールを説明してゲームスタートだ。

 レートは1点あたり3円にするか5円にするかと訊いてみるも一向に答えないあさちゃん。そこで3pと5pを混ぜて業の深い彼に引かせたところ、見事に5円のほうを引き当てた。

 3円や5円じゃ低すぎると考える方もいると思うが、超金欠状態の彼ならばこのくらいのレートでも「破産危機」が目の前にあるから十分にトリップを期待できるのだ。

    彼のトリップが見たい方は、彼の所持金がそこそこあるときは2万近く動くレートで行ない、金欠のときはどんなレートでもその夢が叶えられます。

私 「あさちゃんコマ持ってきた?」
あさ 「もってきましたよ。ほら」
私 「ナニコレ?」
あさ 「お守りですよw」
私 「でかすぎっす」
あさ 「そうですかね?」
私 「大きさ考えて」
あさ 「 はい 」

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 交通安全のお守りだ。立親プレートと同じくらいの大きさがある。はっきり言ってめちゃくちゃデカくて邪魔である。ちなみにかなでちゃんのコマも若干デカくて邪魔だ。本人には言わないように。


 1戦目はかなでちゃんが特大の地獄を引いて爆散。あくびしているうちにお気持ちポイントが増えてサクっと終了。優勝はあさちゃんだ。


 2戦目のあさちゃんは、第1投にドラ6pを引いて12点オールからスタート。

 2投目に力を入れるあさちゃん。しかしアルティマは長押ししてもサイコロの出る目は変わらない。押し続ける彼をよそにサイコロはさっさと止まり、出目は7。

あさ 「1,2,3,4,5,・・・6、7・・・これだな?」

 牌をつかんだ指にぐぐっと力がこもる。

あさ 「ん?うーん・・・これはソウズだ!!!イーピンだ!!!」
私 「どっちやねん」

ターン!!と叩きつけられた牌をみるとなんと 2m 。1投で驚異の誤答率200%だ。

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私 「盲牌しても意味ないと思うよ。指先壊死してるから」
あさ 「いや、でも本当にわかんないんですよ」
私 「そこは疑ってないから」
あさ 「 灰 」


 数ゲーム後。

 開局早々に白ポッチを引き当てたあさちゃん。50点オールをもらって次回は10倍になるため、このあたりからだんだん紅潮してきていた。彼にとっては点棒を増やすチャンスではなく、破産を免れるかどうかが重大なのだ。

 次にピンズを引けば10倍。ドラ7pなら14点×10=140点オールもらいになる。いまの彼には2マス目前のこの7pしか目に入っていない。しかしピンゾロはスタート方向へ戻ってしまうため、この7pに止まることはたぶん無理・・・っていうか不可能。

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 そんなルールも忘れて「2を引け!!!2だ!!!ニダ!!!」と叫ぶあさちゃん。

あさ 「う・・ぱ、ぱーそー・・・パーソーダパーソー!!」

 結果的に2ではなく9の目が出た。引いた牌にギリギリと親指をこすりつける。力を込めすぎたせいか、途中で息苦しくなってマスクを外してしまうのも可愛らしいところだ。

 親指強打で放たれた牌はもちろん8sではなく1m。この動画を皮膚科に見せれば「あーこれは完全に壊死しているね」と診断されること間違いなしだ。

 結局字牌に止まったのだが、コマをすすめた彼はたったいま100m走をしてきたようにハァハァと呼吸が乱れていた。

私 「あさちゃん大丈夫?走ってきたの?」
あさ 「ハァハァ・・・しんどいわ・・・ほんと疲れた・・・」

 こんな体験をしてみたいものである。



 交通安全のお守りのおかげで、特に事故ることもなく快進撃を続けていたあさちゃんだったが、そんな彼の前に超ド級の地獄が立ちはだかる。

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 9sはドラ3なので9×2×2×2=72オール払い。そしてその手前の1m2枚、ゴール手前のドラ2mはすべて9sに止まる。ゴール前の5枚のうち4枚が216点の失点になり、お気持ち換算すると1080KPになる。いくら安全運転しても事故率90%は回避不可能だろう。

 かもしん氏とかなでちゃんの両者は赤5mを引いてスタートに戻っていたため、あさちゃんは彼らが追いつくか自分がゴールするまでこの地獄に永遠にいることになる。結局2000点近くを失点し、私がゴールという名の救済をしてあげたおかげで彼は助かることができた。

あさ 「いやーこれは本当にきつかったわ・・・こんなきついの初めてだったわ」
私 「大変だったねぇ。でもこれのおかげで20点とか30点とか引いてもぬるく感じませんか?」
あさ 「たしかにそうだな」
私 「レートあげますか?」
あさ 「あげねえよ」
私 「 灰 」


 10ゲームに満たないほどのすごろくをこなし、あさちゃんの結果はマイナス3000気持ちポイント。耐えたほうだろう。

あさ    「はぁ、しかし盲牌だけはほんとうにわからねぇなぁ」

    この日は20回くらい盲牌し、合っていたのは3sの1回だけであった。的中率はわずか5% 、24頭立ての競馬やってたほうがまだ当たるかもしれない。

 帰り際、あさちゃんはこんな疑問を投げかけてくれた。

あさ 「もしかして運って人それぞれ違うんじゃないでしょうか?」


私 「それはそうだろ」
あさ 「やっぱり僕がすごろくで勝てないのは、僕の運が悪いだけでなくて、森さんやフィリアさんの運が良いのもあると思うんですよね」
私 「すごろくは運じゃなくて人間力だよ。あさちゃんは我々に勝てるわけないやん。ゲー単マイナスだよ。」

あさ 「・・・・・・」


 その夜。

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 「最後まで落ち着いて打つ」を実行できたかどうかは客観的なことなので皆様の判断におまかせしますが、個人的にはこれが落ち着いているならマントヒヒも常に落ち着いているということになると思います。



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フィリップ
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