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夜空ノムコウ

私は夜に灯る家々の灯りが好きだ。

それは人を感じられるから。

そこに帰りを待ってくれている誰かがいようがいまいが、人には皆それぞれ家がある。

実家だろうと一人暮らしだろうと、帰る場所がある。

窓に灯る明かりを見ていると、そのことにとても安心する。

自分以外の人が暮らしている、生活が営まれている、広い意味で私は一人じゃないと思うことができる。

夜空を見て、「世界のどこかに自分と同じ空を見上げている人がいるかもしれない」と嬉しくなる気持ちと似ているかもしれない。

SNSで何でもかんでも共有できる時代だけれど、世界のどこかの誰かと同じ夜空を共有していると実感できた瞬間の方が言いようもない孤独感が柔らかく溶けていく気がする。

夜は暗く寂しいけれど、そこに灯る光や明かりをより輝かせあたたかさを添えてくれる。

今日もみんなが無事に帰れますように、そう願いながらまんまるのお月様を見上げた。

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