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オリンピックの国別メダル数なんか競わなくていいよ

8月11日未明。
女子やり投げの北口榛花さんが金メダルをとった。

やりを遠くに投げたら大喜びするイメージの北口さん。
このときの北口さんは、叫ばなかった。
静かに喜びを噛み締めているような表情。
コーチと抱き合ったとき、感情が溢れ出たように涙を流した。

その姿に、なぜか徹夜してオリンピックを見ていた私ももらい泣きしそうに。

そのとき、見ているテレビ画面にテロップが流れる。

「北口榛花さんが女子やり投げで金メダルを獲得。これで日本勢の金メダルは合計17個で史上最多

あのさあ。
それ今言わないといけない?

完全に涙が引っ込んだ私。

金メダルは選手が大変な思いをして取ったものだ。

取った瞬間に合計を数えて、
「今、合計何個です」
だなんてほんとに無粋だな。お会計かよ。

オリンピックが終わると、SNS上で国別メダルランキングが話題になっていた。

産経新聞の記事より

出典はこちらの記事。

1位アメリカ、2位中国、3位日本。
だから日本は銅メダルなんだと。

SNS上では
「日本3位だ!!スゴイ!!」

さらには上位二カ国との人口の差に着目し、
人口比とメダル総数の比率まで割り出して、
「やっぱり日本はスゴイ!!」

はあ。
これがオリンピックか。

これがオリンピックなんだろうな。
国旗をつけて試合しているし、
一応は多少の国費(?)も投入しているんだろうし。

でもメダルをとったのは選手なので、
サポートした関係者たちはともかく、
家で応援していただけの日本国民の皆様は、
たとえメダルランキング圧倒的一位だとしても
何もスゴくないだろう。

とにかく私は、
日本が「メダルランキング」で1位になろうと
最下位になろうと、
「メダルの合計を数える」という行為が嫌いだ。

こんなことを言うと非国民とか
日本が嫌いなんだろ?とか言われるのかな。

まあ非国民であることは認める。
でも私は選手個人の努力の結晶であるメダルが、
表の中の「20」とか「12」みたいな数字に落とし込められて、
国全体の功績みたいにされるのが気持ち悪いんだ。

メダルなんて、選手にとってはたった一つだし、
(もちろん複数メダルを取った選手もいるけど)
一つ一つのメダルに、一人一人の人生があるのだから。

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