朝に生まれました。読んだ漫画のこと、すきな小説のこと、とるにたらない日常をわすれないた…

朝に生まれました。読んだ漫画のこと、すきな小説のこと、とるにたらない日常をわすれないためにここに記録をのこそうと思います。

記事一覧

備忘録 | さいきん読んだ本

 こんばんは、朝です。  真夏の夜に吹く風のなかに秋を感じるのが好きなのですが、今年はいきなり秋になってしまったせいかあまり感じられませんでした。「秋めく」とい…

朝
3日前
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備忘録 | さいきん聴いている曲

 こんばんは。  せっかくの人生はじめての夏休みだというのに、夏バテでずっと床に臥せっていました。冷房をつけずに寝るからこういうことになるのだとわかりきっている…

朝
1か月前
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毎日コンビニのパンを食べて生きている

2年ぶりの更新です。こんにちは。 この2年間、うまく生きられない自分がいやでそれなりに死にたくなったり、ある晴れた日にとつぜんもう死んでしまおうと思ったりして、で…

朝
2年前
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イトイ圭「花と頬」/人生が交差するとき

2019年10月に発売、遅ればせながらその年の年末に手に取った。1年を経て、いまごろ感想を書こうかと思っている(書き途中の原稿が下書きに残っていたのを、ちょうどいま思…

朝
3年前

かんぺきな綻び/売野機子「かんぺきな街」

売野機子とは全く関係ないのだけれど、私は村上春樹の小説に出てくる「おれが考えた最強のメンヘラ」系の人物がとても好きだ。「ノルウェイの森」の主人公や「海辺のカフカ…

朝
5年前
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愛すること、愛し続けること/市川拓司「そのときは彼によろしく」

「そのときは彼によろしく」 たしか、小学生か中学生になりたての頃、実家の箪笥の上に雑然と件の文庫本が置いてあった。うちではそういうことが多々あった。パソコンの横…

朝
5年前
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愛を信じるということ/売野機子「ルポルタージュ 追悼記事」

「恋愛」って不思議な言葉だ。 恋と愛はぜんぜん別のものなのに、どうして一緒くたにされてしまっているのだろうか。 金曜日の真夜中、ふらつく体とシャットダウン寸前の…

朝
5年前
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たくさんの好きとたくさんの嫌い/ヤマシタトモコ「Love,Hate,Love.」

つい先日のこと。とても大好きだった人が、ふと呟いた。 「好きな人と一緒に住みたい」 どうして?と尋ねると、その人はこう言った。 「洗濯物の畳み方が僕と違ったりす…

朝
5年前
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日常、日常、日常/紀伊カンナ「魔法が使えなくても」

かれらの日常は、どうしてこんなにも愛しいのだろう。 紀伊カンナ先生の「魔法が使えなくても」。手に取ったきっかけは本屋さんでもなく、とある音楽雑誌の巻末に掲載され…

朝
5年前
7

たとえ違う国の住人だとしても/ヤマシタトモコ「違国日記」

私は何者で、何になりたいのだろう。 愛されることと、愛すこと、一体私は何を望んでいるのだろう。 「違国日記」を読むと、そういう不思議な感慨というか、そこはかとな…

朝
5年前
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備忘録 | さいきん読んだ本

備忘録 | さいきん読んだ本

 こんばんは、朝です。

 真夏の夜に吹く風のなかに秋を感じるのが好きなのですが、今年はいきなり秋になってしまったせいかあまり感じられませんでした。「秋めく」という言葉、あと数十年したらなくなってしまうのかな。

 気候的に秋が大好きなのでさいきんはすこぶる活動的です。読書をする心の余裕ができたおかげで、積読が富士山から高野山くらいの高さになりました。ということで、ここでさいきん読んだ本をまとめて

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備忘録 | さいきん聴いている曲

備忘録 | さいきん聴いている曲

 こんばんは。

 せっかくの人生はじめての夏休みだというのに、夏バテでずっと床に臥せっていました。冷房をつけずに寝るからこういうことになるのだとわかりきっているのですが、冷房が苦手ですぐのどを痛めるのでどうしてもつけたくないのです。

 そういうわけでなにもしたくないわりには暇で仕方がなかったわたしは、ベッドのうえで実況動画と音楽をずっと流していました。さらに暇で仕方がないので、さいきん聴いた曲

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毎日コンビニのパンを食べて生きている

毎日コンビニのパンを食べて生きている

2年ぶりの更新です。こんにちは。

この2年間、うまく生きられない自分がいやでそれなりに死にたくなったり、ある晴れた日にとつぜんもう死んでしまおうと思ったりして、でもぜんぜん死ねなくて、はたから見たらなんてことのない平凡な毎日を生きていた。本を読むこともあったけど、心が疲弊しているからかそれは「読んだ」という事実以上にはなりえなかった。かつて私は、本を開けば見たことのない土地に遊びに行けたし、この

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イトイ圭「花と頬」/人生が交差するとき

イトイ圭「花と頬」/人生が交差するとき

2019年10月に発売、遅ればせながらその年の年末に手に取った。1年を経て、いまごろ感想を書こうかと思っている(書き途中の原稿が下書きに残っていたのを、ちょうどいま思い出しただけ)。

バンド「花と頬」のメンバーを父に持つ高校生の頬子と、福岡から引っ越してきた八尋の物語。高校生の純な恋愛を余白たっぷりに描く、いわゆるガールミーツボーイ。

ものすごい作品だった。

作者が各所で言っているように物語

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かんぺきな綻び/売野機子「かんぺきな街」

かんぺきな綻び/売野機子「かんぺきな街」

売野機子とは全く関係ないのだけれど、私は村上春樹の小説に出てくる「おれが考えた最強のメンヘラ」系の人物がとても好きだ。「ノルウェイの森」の主人公や「海辺のカフカ」の田村カフカくんなり、彼の作品に登場する男はおおよそ良い意味で狂っている。日頃からかれらと触れ合いたいとは思わないが、ある一定層にとってはクセになる「やばさ」を持っていると思う。たまらない。

売野機子の作品にも、どことなくこの「やばさ」

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愛すること、愛し続けること/市川拓司「そのときは彼によろしく」

愛すること、愛し続けること/市川拓司「そのときは彼によろしく」

「そのときは彼によろしく」

たしか、小学生か中学生になりたての頃、実家の箪笥の上に雑然と件の文庫本が置いてあった。うちではそういうことが多々あった。パソコンの横とか、テレビ台の下とか、トロンボーンケースの上とか。いわゆる大衆小説が好きだった父の影響で、私も幼い頃からそれらを拾い読みしていた。スカイブルーの表紙(たぶん海か空)に、ポツリと浮かぶ白い犬(トラッシュなのだろうか)。どういうお話なのだろ

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愛を信じるということ/売野機子「ルポルタージュ 追悼記事」

愛を信じるということ/売野機子「ルポルタージュ 追悼記事」

「恋愛」って不思議な言葉だ。

恋と愛はぜんぜん別のものなのに、どうして一緒くたにされてしまっているのだろうか。

金曜日の真夜中、ふらつく体とシャットダウン寸前の頭で「ルポルタージュ 追悼記事」の発売日を思い出した。渋谷のTSUTAYAは便利だ、深夜でもやっているのだから。帰りしな、電車の中で、衝動を抑えきれずにビニールカバーを外した。講談社のカバーは密着性があるので外しづらい。勢い余って、隣に

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たくさんの好きとたくさんの嫌い/ヤマシタトモコ「Love,Hate,Love.」

つい先日のこと。とても大好きだった人が、ふと呟いた。

「好きな人と一緒に住みたい」

どうして?と尋ねると、その人はこう言った。

「洗濯物の畳み方が僕と違ったりするかもしれない。そんな些細な発見で笑いあったり。僕が知りたいのは、そういうことなんだよ」

私は人と住むのが苦手だ。生まれた時から一緒に住んでいる家族ですら(家族だから、という乱暴なくくりは嫌いだし、家族だからと言ってなんでも許される

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日常、日常、日常/紀伊カンナ「魔法が使えなくても」

日常、日常、日常/紀伊カンナ「魔法が使えなくても」

かれらの日常は、どうしてこんなにも愛しいのだろう。

紀伊カンナ先生の「魔法が使えなくても」。手に取ったきっかけは本屋さんでもなく、とある音楽雑誌の巻末に掲載されているエディターによるレビュー。

なんかいいな。

そう思って購入した。直感と、少しの時間とお金と、行動力。当時の自分には、それらがぜんぶ揃っていたらしい。ちなみに、作者のことはおろか、FEEL YOUNGで連載されていたこともまったく

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たとえ違う国の住人だとしても/ヤマシタトモコ「違国日記」

たとえ違う国の住人だとしても/ヤマシタトモコ「違国日記」

私は何者で、何になりたいのだろう。
愛されることと、愛すこと、一体私は何を望んでいるのだろう。

「違国日記」を読むと、そういう不思議な感慨というか、そこはかとない恐怖というか、いろんな感情が迫ってくる。

35歳の少女小説家と、交通事故で急逝した姉の遺児15歳の姪との交流を描いた作品。

アラサー小説家槙生は超絶人嫌いの一匹狼。一方、姪の朝は、人に好かれることに衒いがない、まるで子犬のような

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