「170センチ以下の男は人権ない」の何が悪かったのか。~社会評論②~
まずこの発言を見た170センチ以下の僕は、とても傷つき、人間性を否定されたような感覚になりました。
そして、ネットでは、この発言をしたたぬかなさんに対して非難の声が集まっています。さらに、このプロゲーマーの女性は、スポンサー契約との打ち切りを言い渡されました。
ここで、僕がしたいのはこの騒動に薪をくべて、燃やしたいわけではなく、この女性の問題を社会問題として消化すべきだと主張したいのです。
この女性の発言は、社会構造と深く関わっています。
女性は男性に眼差しを向けられてきた。
そもそも、女性は男性の眼差しを向けられてきました。日本の社会構造として、平均的に男性は女性よりも経済的に豊かで、そうした男性達から向けられる眼差しに適応することで、女性達は生き延びてきた傾向があるように思います。
金銭的な立場が上の者が、下の者に理想を押し付ける過程で傷つきが発生し、そうした目線がたぬかなさんを傷つけてきたのではないでしょうか。
しかし、男女同権が主張される現代において、女性達の立場が上がり、金銭的な立ち位置が同等になったり、逆転したりすること多くなってきます。
たぬかなさんもその一人かもしれません。実際、沢山の人に見られ、羨望される立場です。そんな立場に立った彼女は今まで向けられてきた眼差しをそのまま男性に向けたのです。
選ばれる立場から選ぶ立場に変化し、その怒りをぶつけてしまった。
だから動画からは、男性を愚弄し、怒りをぶつけているように感じられるのです。
そうした怒りに素直に反応してはいけない
その発言に対し、僕ら男性達は、素直に怒りを出してしまっている。ツイッターや、ノートや、youtubeのコメント欄などで。
それは、立場が上がった女性達から眼差しを向けられたことに対する恐怖とも言えるのです。そして、傷ついてしまった。
それでも、女性達の社会的地位は上昇を続けています。そこに対して、恐れを抱くわけでもなく、ミソジニーになるのでもなく、その状況を構造として把握し、女性から眼差しを向けられ傷つけられることに対する解決策を見出す必要があるかもしれません。
逆に女性達は、社会的地位の上昇を利用し、より低い男性に眼差しを向けてしまうことを把握する必要も生まれるかもしれません。
まとめ
結局、女性や男性が異性に対して眼差しを向け、そして傷つけてしまうことはあり続けるのかもしれません。それでも、そうした傷つきに対して、丁寧に言葉で表現し、冷静に社会問題として把握することは、男女のより深い相互理解へと導くと信じています。
そして、彼女の発言は、決して個人の問題で終わらせてはいけません。しっかりと社会の構造として考えることがないと、いずれ大きな歪を産むことになります。