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「The Great Work:大いなる業」

 この木の根っこを切り刻み例の液体と一緒に入れて火にかけ、さっき砕いておいたこの白い粉と黒い粉を少々、あとはゆっくりかき回しながら浄化作業を経て新たな形へと錬成〜〜〜! ......って、あらいらっしゃい。......ってかあなたいつから来てたの?もしかして、わたくしの「大いなる業」の行使を見てた?

 あちゃ〜、見られちゃったか〜。鶴の恩返しじゃないけど、本来なら魔女が「大いなる業」を使用している所は見せちゃダメなのよ。古き魔術師の秘密だから。でも仕方ない、あなたはさっき見ちゃったから教えちゃうわ〜。

 お話の前に、さっき錬成してたものが仕上がったから、一緒に食べてからにしましょ。はいどーぞ、召し上がれ。

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 前にQ-changカレーの店長からお店の「大いなる業」を教えてもらったのよ〜

 え?大いなる業は料理なのかですって?

 あなた何か勘違いしてない?いつも言ってるじゃない、「秘密はいつも目の前に」って。物質を火にかけ形を変え、新たな物質を錬成する。これが「大いなる業」よ。料理も「大いなる業」の一つ。そもそもレシピの出どころを考えてみて。庶民側から発生したものではありませんよ。魔女の視点ですとレシピは古い3Sみたいなもので、娯楽としてあちらからこちらへ流れ出たもの。現に今もそのように機能してますでしょ?本来、食事ってのは栄養が取れればいいんです。高価だとか珍しいだとか行列ができるとかはどうでも良き事。味覚は娯楽の為に備わっているものではありませんよ。以前に動画でも問うてます。あなたは本当に味わっていますか?と。


大いなる業

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 さて、冗談はさておき真面目なお話に参ります。「大いなる業」というものは「この世の仕組み」を応用し人の手で成すことです。思い出して下さい、この世の繰り返しの根本原理を。

 「生・時間・死」「再生・維持・破壊」「誕生・成長・死去」

 この根本原理を人の手で行うゆえ「大いなる業」と呼ばれます。錬金術を知っている人ならば「様々な物質の錬成」と解釈なさるかもしれませんが、わたくしがお伝えしたき「大いなる業」は「あなた自身の錬成」のお話です。"最も古き者"と"最も古き父母"が宇宙を錬成したように、錬金術師がアルミニウムを錬成したように、あなたはあなた自身を錬成するのです。

 ただ、いきなりあなた自身を錬成すると言われてもびっくりしちゃいますよね。ですから順にご説明申し上げます。まずは「大いなる業」の出どころ「錬金術」の基本的な考え方から学び、己の錬成まで繋げてゆきましょう。

上の如く 下も然り 下の如く 上もまた然り

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錬金術とはマクロコスモの事象をミクロコスモに再現すること。

 錬金術師の宇宙論の基盤には、「上の事象は下に反射し、下の事象もまた上に反射する」という考えがあります。この場合のマクロコスモは惑星や恒星を、ミクロコスモは人間の住む地上を示し、ミクロコスモは常にマクロコスモを反映、その構造を再現しているという考えが錬金術師の基本です。それ故、錬金術師の基本的格言が「上の如く 下も然り」なのであります。

 錬金術師が物質の錬成について語る時は、ミクロコスモは「鉱物」を示します。惑星や恒星がマクロなら、母なる大地がミクロ。母なる大地の子宮は地中であり、地上で最も早くマクロの影響を受け形になるのは地中の鉱物だと考えました。故に、鉱物を研究しその仕組みを解き明かすことで、宇宙全体の秘密を解き明かそうとしました。

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 その方法は、鉱物を砕き、潰し、火にかけ不純物を取り除き純化させ、新たな物質へと再生させる。根本原理である「破壊・再生・維持」を人の手で行い新たな物質へと変容させる。この作業はいわゆる「神の模倣」であり「神の力の行使」、神聖な智慧である自然原理を用いた作業、自然を知り尽くした魔術師の技、それゆえ「The Great Work:大いなる業」なのです。

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 古い時代のお話とお思いでしょうか?よ〜く考えて下さい。中世は物質の錬成(破壊)にカマドの火を使ってました。現代も同じことをやっているではないですか。カマド(原発)の火(電気)を使って物質を破壊し、その秘密を探っているではないですか。「フラスコ」と「大型ハドロン衝突型加速器」、少々規模は違いますがやっていることは同じです。事実、Cernには破壊の象徴が鎮座してますでしょ?しかも二つの実験の名前は「生死」の対ですし。(Atlas & Alice)

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ニグレド ・ アルベド ・ ルベド

「大いなる業」の手順についてはいくつかあります。3だったり4だったり5だったり。わたくしはシンプルが好きですので3でご説明申し上げます。

 物質の錬成は3段階に分けられます。ニグレド(黒化)、アルベド(白化)、ルベド(赤化)の三つ。

・「ニグレド・黒化」
 不純物の浄化。熱することで物質を変容させ、不純物を取り除き、次の段階への準備をする。自然のサイクルの中にあっては「腐敗」です。「腐って黒くなるから黒化」または「"火にかけて焦がして黒くなる"から黒化」ってイメージが覚えやすいわよ。なんにせよ、変容させるにはまず壊せです。

・「アルベド・白化」
 変容、再結晶化。純化されたものを更に火にかけ続け、新たな物質へと変容させる。純化したもの同士を再結晶化させる。すんごい高温に熱すると白色化するでしょ?あのイメージ。または気体。

・「ルベド・赤化」
 固定化。完成。純化したものを変容させ固定化・完成させる。物質の錬成で言うと”冷やす”よ。刀鍛冶が熱した赤い刀を水にジューってするでしょ。あのイメージ。

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 上の絵は「ヘルメスの勝利」という錬金術書の挿絵です。この絵の三つの王冠は、これまでに述べてきた「大いなる業」の3段階を示しています。カマドの火にかけられた一番下の段階の王冠がニグレド、気体の分離と結合を示す左右対称の2匹の蛇の王冠がアルベド、死と再生の象徴「不死鳥」の王冠がルベドを示します。さて、ここで思い出して下さい、哲学者の石を。

哲学者の石

 哲学者の石は、完成され再生された人間の古代の象徴であり、その神聖な性質は一連の浄化作業を得て輝きを放ちます。

--Manly P. Hall--

 『哲学者の石』では人間の浄化作業を宝石の研磨に例えご説明申し上げました。要らないものを捨て(カット)鍛錬し(磨き)光放つ宝石となると。本件の「大いなる業」でお伝えしたきことも同じこと。

人間の錬成

 これまでに述べてきた”鉱物の錬成”のお話は全て「人間」に置き換えられます。冒頭で「あなたはあなた自身を錬成するのです」と申し上げた意味です。

・鉱物を錬成する如く、火に身を晒し浄化して下さい。生まれてからずっと無意識に刷り込まれてしまった概念を浄化して下さい。信じていたものを捨てるのは火に身を晒すが如き辛さ。しかし越えねばなりません。再生するために。

・"純化した己"と"純粋な智慧"とを結合させて下さい。なんのバイアスもかかっていない純粋なる智慧と己とを結合させて下さい。純粋なる知恵とは数と幾何学。宇宙をエンコードした数・幾何学は純粋な智慧なのです。

・再生した新たな自分の目で色々と見て下さい。また新たに足りないものが見えてきます。そしてまた繰り返して下さい。己を見つめ直し、純化し、智慧と結合し、再生する。何度も何度も何度でも。

・何度繰り返したか分からぬほど繰り返した時、己が光放つ源となり、暗闇を彷徨う人々の足元を照らせるようになります。

・魔術師の第一の心得は利他的であること。己が高めた知識を見返りを求めず行使すること。不死鳥の象徴には"自己犠牲"があることをお忘れなく。自身の胸を啄み傷を作り、そこから流れ出る血を子に分け与える姿で象徴されている大切な事です。


I.N.R.I

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 アナハイムの魔術師の言葉により、わたくしの古い記憶から蘇ってきた言葉「I.N.R.I」。一般的な訳は「IESVS NAZARENVS REX IVDAEORVM / ユダヤ人の王、ナザレのイエス」ですが、古いイエスの象徴がフェニックスであること、そのフェニックスは「大いなる業」の象徴であること、上の象徴画にもあるように「I.N.R.I」はイエス特有のものではないことを考慮すると、異国の魔術師の言葉通り、以下の訳が適切であり本件の締めとしても適しているのではないでしょか。

I.N.R.I
Igne Natura Renovatur Integra
全ての自然は火によって再生される

ニグレド

As above So me
上の如く 私も然り

I N R I
全ての自然は火によって再生される

Try to the Great Work
大いなる業を試みよ

365
毎日


 本件はこれにて締めとさせて頂きます。あなた様の”大いなる業”の手助けになりましたなら引き続きお付き合いをお願いいたします。


お知らせ

 わたくしちょっくらまたやらかしまして、、、
最近は初心者さん用の「智慧の初め」マガジン作ったり、有料記事用に調べまくりんぐしてたらすっかり忘れてましたのよ。読者さんからのメールで気付きました。

「もう大分肌寒くなってきましたが、冬物はまだですか?」

 大切なことなのでもう一回言いますね。申し訳ありません、思いっきり忘れてました。その後、冬物のデザインを考え始め「大いなる業」に決めたのは良いのですが、ここでまたまた気付きました。

「大いなる業の説明もしなきゃ意味が伝わらないじゃない!」

 って事で本記事の執筆になるのですが、「やべ〜、詳細を忘れちゃってる」となり、調べ直しつつ、他の記事を書きつつ、本のCMを作りつつ、とやっておりましたらこんな時期になってしまいました;;なにぶんおばちゃんが一人でやっているものですから大目にみてやって下さいまし!!

カタログ
※このデザインの販売は終了しました。


 今季のデザインは本件でお伝えした「大いなる業」がモチーフです。ニグレドの黒、アルベドの白、ルベドの赤の3種類をご用意致しました。また、今季のアイテムは「オシャレ用のもの」ではなく「備え」になりそうなものをピックしました。ですからアパレルは防寒用の「ヘヴィーウェイト」のスウェットとパーカーのみです。あとはブランケットとかバンダナとかリュックとか防災時のお供です。

 また、もし災害やら何やらでネット・電気が落ち、どこかへ移動や避難を強いられた時、同じ考えを持つ人を探す目印に使ってください。混乱の最中、誰がどんな考えを持っているか調べる余裕はありません。ネットで調べようにも電気がありません。そんな時に同じ考えを持つもの同士で集まれる目印にお役立てください。バンダナをどこかに巻いておくだけでも役に立ちます。

 わたくしのnoteを読みにきてくださってる皆さんなら、ある程度の未来は見えておりますでしょ?

備えを。






 こんな最後までスクロールしてくれたあなたには、わたくしが見ている未来をちょっとだけ教えちゃう。この混乱はあなたが思うよりずっと長く続くの。そしてそれは数年ごとに"3つ"に区切れる。

 ピンときた?

 あちらはね、世界を原材料として「大いなる業」を達成しようとしてるの。ニグレド、アルベド、ルベドの3段階で。んで今はまだニグレドの最中。数年後にアルベドが来てルベドで完成。だからあの絵の3枚目は赤化の赤であり、真っ赤な世界の赤でもあります。

バンカメ3

 この絵はね、始まりの日と終わりの日をしっかり示しているのですよ。んで、始まりの日は当たりましたから終わりも多分当たってます。

もしよかったらサポートをご検討してくださいまし。 わたくしのお伝えするお話は大衆娯楽誌のように広まるようなものではなく、ビジネスとしては成り立ちません。故にnoteを通してのサポートは大変助かります。 わたくしのお話があなた様の心の琴線に触れましたならサポートをお願い致します。