捨てる
マッチングアプリを辞めた。月額プランはまだ残っていたが、心が萎びてしまった。
アプリは私の自信を喪失させるに充分な役割を果たしたようで、常用が一般的となったマスクに安堵感を覚えるようになった。道行く女性の顔をマトモに見れないようになった。職場で人と話すとき伏し目がちになった。立派な社会不適合者だ。
好む好まないを基準に他人を判決していく処理行動は罪悪と優越を刺激するが、反対に相手からもそうやって選別されることへの憤慨を引き起こしもする。
結局、マトモな対話は誰1人とも出来なかった。やりとり自体がほとんど続かなかったし、多少続いたやり取りもシュークリームのシュー部分だけ食べるみたいな空虚さだった。
捨てる。