教職員の出退勤をもっと正確につけるべき!!
ある土曜日の朝、ポケットWi-Fiを職員室の机に置き忘れてしまったことに気がつき、取りに行くため、お昼過ぎに学校へ向かいました。
「昼過ぎだから誰もいないかな」と思っていると、学校には平日並の車の数がとまっていました。
「みんな部活かな?え、でも今日って部活午前中のところがほとんどじゃ…」と思いながら職員室へ向かいました。
すると、10人以上の先生が、自分の机に座り、PCで何か学校行事や学年会・職員会の資料書類等を作っていました。
私は休日に学校に行くことは年1回ほどだったので、「え!なんでこんなに休日にいて、しかも仕事しているの!?」と衝撃を受けました。
同じ学年の近くにいた先生に聞くと、午前中から学校に出勤して、お昼ご飯を食べ、今から学級・学年の仕事をするそうでした。
その時の会話がこちらです。
私 「今日なんで出勤しているんですか?」 先生「午前部活で午後は平日できなかった仕事少しやろうと思って。」 私 「まじっすか…なんで?今日休日じゃないですか?」 先生「平日早く帰らさせるから、結局仕事終わらないんだよね。だから部活で学校に来たついでにやるしかないんだよね…」 私 「今から何やるんですか?」 先生「学年会の資料作成と、学級で配布する資料。あ、あと、教材研究と授業で配布する資料の印刷かな。」 私 「盛り沢山ですね…何時までいるんですか?」 先生「18時には帰るつもり!」 私 「そうですか…頑張ってください!お先に失礼します…」
これって、おかしくないですか!?
何が働き方改革なのでしょうか?
月の残業時間60時間を超えないために休日来てサービス残業することが、働き方改革なのでしょうか?
教員の働き方改革なんて形だけの改革で、
改革でもなければ改善もしていない。
教員の良心につけ込んだただのパワハラじゃないか!
と心の底から思いました。
その日以降、休日にどのくらい出勤しているのか知るために、休日の日に一度勤務校に立ち寄ったことがあります。
すると、、、
・土日にきて平日にできなかった業務をしている先生が自分の勤めている公立中学校では15人ほどいる。
・そのほとんどは午前中は部活動の監督、そして午後はそのまま職員室で自分の仕事をやる。
・午後部活の先生もいて、その先生は早く来て午前中に自分の仕事を行う。
□ 出退勤の曖昧さが生む問題点
⑴ 土日の出退勤は押さなくてもいいようになっている点。
ある教員の土曜日の学校での過ごし方を表にまとめました。
これは、ざっくり書きましたが、同僚に聞きまとめたものです。
これだけ1日働いたのに、もらえるのは部活動手当の3000円ほどのみです。
また、土日の勤務の出退勤は押すように言われていますが、誰も押していません。
なぜなら、時間外業務が多くなりすぎると管理職から呼び出しされ、業務のやり方を改善しろと釘を刺されるため、土日の勤務に関しては出退勤を打つことはありません。
これでは正確な勤務時間が管理できていませんよね。
こんな杜撰な管理で「月の残業時間を60時間以内にできました!」なんて誇らしげに言っている管理職や教育委員会が多いなとの印象です。
そもそも”60時間”ではだめなんですけどね(笑)
⑵ 教員の働き方改革が本来の業務改善を通して働く時間を改善するという目的から逸脱している点。
「学校でも家でもできる仕事は家でやればいいよ」と言われたことが何度もありました。
そもそも、仕事を家でやったとしても、それは勤務時間となんら変わりません。
”在宅ワーク”になることは間違いありません。
しかし、出退勤簿上では勤務していないことになるので、見かけ上時間外勤務時間の減少に貢献したということになります。
それでは、いつになっても仕事の量が減るわけありません。
だから教員の働き方改革が騒がれている一方で、現場では全く対策になっておらず、むしろ後手後手のその場しのぎの対応でしかありません。
きちんと勤務時間外の労働時間を正確に報告することこそが時間外勤務時間の減少につながるということを全員が理解し、行動していかなくてはなりません。
⑶ 平日にできない業務は土日にやればいいやという思考が教員の中にある点。
⑴にも書きましたが、土日にフルタイムで勤務している(出勤はしていないことになっているが)人が多くいます。
出退勤をしなくてもいいので、たくさん働いても時間外勤務には当たりません。
そうやって、なんとか時間外勤務時間を減らしている教員が何人もいます。
そうすると「平日に時間外勤務をすると管理職に怒られるから、何も言われない土日にやろう!」という教員が何人もいるようになりました。
結局やっていることやそのための作業時間は変わらないのに、本来休みの時間を犠牲にしてまで時間外勤務時間を減らそうとする(見かけ上)のは異様だと思いませんか?
□ 管理の仕方を徹底するべきではないか
まずは、時間外勤務の時間の正確な時間数の把握を優先的に行う必要があります。
今の業務量ではどのくらいの時間外勤務が生じてしまうのか。
それがわからないと、「〇〇を業務削減したことによって、△△時間の時間外勤務時間の削減につながりました!」ということに説得力が出ないからです。
また、教員の人の中にも先ほど述べたような勤務時間の過小評価をしている教員がいる話をしました。
こういった人がいるせいで、さらに業務が増えたり、何も改善されないのだといい加減に気付いていただきたいです。
今、教員のブラック労働が騒がれていますが、あれはあくまで見かけ上の数値に過ぎないということです。
まだまだ、根強く時間外勤務をさせる文化はあります。
ただし、唯一抜け出すとしたら教員一人一人が正確に勤務時間をつけ、きちんと報告をすることができれば、業務改善のしようがあるということです。
原因がわからないまま「早く帰れ」というから何も変わりません。
自分たち教員の労働環境を少しでもよくし、働きやすい環境をつくっていくためにも、他人に頼り、愚痴ばかりいうのではなく、まず自分の出退勤だけでもいいので正確につけてみてはいかがでしょうか?
きっとその行動が第1歩になると自分は信じています。