「聞きたくなかった」から～突発性難聴

これは、私が高校３年生のときの話です。

看護学校受験を控えていた12月。
決して勉強は得意ではなかった私は

迫りくる受験に
大きなストレスを感じていました。

教室の中には、受験をする人もいれば
しない人もいて、

必死に授業を聞く人もいれば
先生の話にヤジを飛ばす人もいました。

毎日、毎日、
教室が割れんばかりに叫ぶ先生の怒鳴り声と

そんな先生をからかうクラスメイトの声に
私は耳をふさいでいました。

ある日、目が覚めると
なぜか耳がよく聞こえません。

すぐに病院に行きましたが原因が分からず、
大きな病院に入院することになりました。

突発性難聴。

突然、耳が聞こえにくくなる病気でした。

まるでプールに潜っているみたいに
まわりの音はこもって聞こえて、

誰が、なんて言っているのか
よく聞き取れません。

小さな頃からフルートやピアノを
演奏するのが好きだったのに音階さえ分からず

どの楽器も、壊れた音に聞こえました。

冬休みのすべてを、病院で過ごし
ステロイドの大量投与治療を受けました。

顔は副作用で丸く膨れて、
皮膚は吹き出物だらけになりました。

だけど、病院は静かでした。

私は、

あの怒鳴り声の中にいたくなかった。

ヤジを飛ばす
クラスメイトの声を聞きたくなかった。

思えばあの頃の私は、

私の願いを叶えてしまったんですよね。

願いは叶うんです。
心を守るために、

細胞は奇跡を起こす。

その後、私の耳は

左にわずかに聞こえずらさを残して
日常生活に支障がない程に回復しました。

今思えばですが、

看護学校に無事に合格できたのは
入院中、静かな環境で
勉強することができたからじゃないかなって
思うんです。

病気は、
私が私を守るために創られました。

私の心と体はいつだって自分の味方です。

病気を生み出すのが自分なら
元に戻すのも自分。

体の不調

それは、

苦しんでいる細胞の声であり
苦しかった感情の声なんです。

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