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蔵王「最上高湯 善七乃湯」で憧れの雪見風呂

山形へ

冬将軍到来の12月初旬、
クリーニングの札もそのままにダウンを抱え、新幹線つばさに飛び乗った。
祖父の法事のため山形へ向かう。
終わりきらなかった仕事をカタカタ言わせつつ、ふと窓の外に目を向けると、福島を抜けたあたりから窓に水滴がつくようになった。「今夜から雪になってしばらく続くらしいぞ」と隣りのおじいさんがブツブツ。

祖父母の家を訪れる際は、
舟形若あゆ温泉で体を温めて、帰りに肉のマルリンで馬刺しとガッキを買いこみ、お家でゆっくり日本酒でいただくのがお決まりだ。最高。

祖父の法事も木魚ぽんぽこ軽快に、挨拶しっかりナムナム交わしたら、さあ温泉だ。(早い)

母と叔父に「この後若あゆ温泉?帰りにまた馬刺しも買おうよう」と言うと
「え??今日はこれから蔵王に泊まりだよ」と返ってきた。
な、なんだってーー!!知らなかった!!
あれ言ってなかったっけとかなんとかかんとか言われたが、いいの。全然いいのよ。
何を隠そう筆者が1番好きな泉質は硫黄泉である。蔵王といえばゴリゴリの強酸性の硫黄泉!何年か前に入った蔵王の最高な日帰り温泉が思い出される。硫黄泉に入りたい、硫黄は山奥、遠いよお、とベソベソする日々。こんなラッキー硫黄があっていいのか!イイ!!棚から硫黄泉、ころっと巡ってきた硫黄チャンス!!!硫黄は寝て待て!!ヤッターー!!!!

しかし、ポツンと一つ寂しいのが
今回大好きな若あゆ温泉と肉のマルリンに行けないこと。
「蔵王行くからしょうがないのはわかっちゃいるんだけれど」とヒンヒン鼻を鳴らしていると、
叔父「あゆ温泉は時間的に無理だけど、マルリンは寄れるぞ。買ってホテルに持ってくか」
一生ついていく。ヒヒーン。

最上高湯 善七乃湯

そんなこんなで前置きが長くなったが
今回の温泉は「最上高湯 善七乃湯」。
棚ぼた的に転がってきた硫黄チャンスに、これまたラッキー私の憧れが叶った場所。

山形市内から既にちらついていた雪が、いよいよ勢いを増してきた。最上高湯善七乃湯は、蔵王温泉の中でも少し上の方。蔵王の急勾配にこの新雪は、しっかり冬タイヤの備えあれどもよく滑る。

蔵王の雪景色

宿に到着するや否や、鼻先ツンと凍てつく寒さの中から、フワりと温かい硫黄の香りが。もうテンションぶち上げ、気合いの腕まくり。

最上高湯 善七乃湯

お風呂について

勇み足でチェックインをして温泉の入浴方法について説明を受ける。
お風呂は内風呂と、庭園露天風呂と、貸切露天風呂、貸切サウナがある。
宿泊者は、①〜⑤までの貸切風呂が無料で利用できる。10時〜21時までは完全予約制(1回50分)、21時〜翌朝10時はフリータイムで予約なしで入浴できるそうだ。

内風呂、貸切風呂のシステム

庭園露天風呂は一部の時間を除きレンタル着衣での混浴が基本となるらしい。

庭園露天風呂のシステム

夕ご飯の時間も迫っていたため、今回は庭園露天は見送り、スタッフの方にお勧めしてもらった眺めのいい貸切風呂を予約した。(③恵比寿天と④布袋尊)

館内はアメニティや施設を満喫するためのグッズが充実しており、ファミリーやペット連れ、カップルなどどの層も楽しめそう。

憧れの雪見風呂

中でも筆者が心ときめいたのがこちら。
「ちょいと一杯セット」の貸し出し。
お気に入りの酒器を片手に「憧れの雪見酒」ができてしまうじゃないか、トゥンクと胸が鳴る。

ちょいと一杯セットの貸し出し

酒器の中身は、無料だとウーロン茶とリンゴジュースが選べる。
「他の人に迷惑をかけないように」や、「入浴しながらの飲酒はご注意ください」等の大前提は勿論あるが、日本酒などを注文(有料)してお風呂に持っていくこともできるっぽい。

筆者と叔父と母で、日本酒を1合注文し、
中身を分けて持っていくことにした。

貸切露天風呂への道中
寒さよりワクワクが勝つ

貸切露天風呂までは客室棟を一度出て
雰囲気のある中をグルグルと歩く。

布袋尊へGO
(ワクワクに寒さが拮抗しはじめた)
暖房はなく、風は通るので、非常に寒い🥶
つ、ついた〜🥶🥶札を入浴中に変える
頃には手先キンキン


外気とお湯の温度差でこれはヒートショック注意しなければ、、とそうっと足先から入る。

ビリビリと熱くて、
「ワ、熱くて腰以上浸かれないかも」と怯むが
外は軽く吹雪、そんなこと言ってられない。
肩まで浸かり切ってしまった方が案外楽で
ジワジワと体が慣れて心地よい熱さなった。
立ちこめる硫黄の香りに、ツルツルとしたお湯の感触、寒さで強張っていた体がほぐれていく感じ。

体が温まってきたら、いよいよお楽しみの時間。どこかの翔平も言っていた「憧れるのをやめましょう」今がその時!!!

雪見酒

手始めに、木桶をプカプカと漂わせてみる。
絵になるなあ〜〜!
では。と冷酒を一口。
火照り出した体の中をスーッと食道一直線に冷たい感覚。う、う、、うまい〜〜!!
普段おつまみがないとあまりお酒が飲めない筆者だが、なんだか今日は硫黄の香りが肴になりそう。(なるのか?)
楽しいな〜嬉しいな〜〜なんてちびちびと堪能。のぼせぬうちに浴衣に着替えて幸せホカホカで客室に帰る。
その後夕食後に内風呂、
朝風呂にはまたまた④布袋尊(ウーロン雪見セットを携えて)で心ゆくまで硫黄と雪見風呂を満喫。(ワーッ拍手喝采)

善七乃湯のこだわり・泉質

さて、ここいらで善七乃湯のお湯をメモしておきたい。
館内の至る所に7つのこだわりの案内がある。
テンション上がる加水・循環なし。蔵王は湧出量が豊富なようだ。
そして硫黄が酸化しない工夫と、新鮮なお湯、マーベラス。

善七乃湯7つのこだわり
泉質

泉質は酸性・含硫黄-硫酸塩温泉、
源泉温度は45-59度と活火山の勢いゴリゴリに体験型ジオパークにいるみたい。
この熱こそが地球のパッションなのではないか。受けて立ちたい、蔵王冬場所、地球と魂の相撲ハッケヨーイ。

硫黄の残り香

帰りの新幹線つばさ
もぞもぞと体勢を変えると硫黄の香りが鼻先を鼻をかすめる。この瞬間がとっても好き
日を追うごとに薄れていく残り香に、田舎の祖父母への郷愁も重ねちゃう。
またすぐ会いに行こう。

とてもいい湯でした。


番外編①

マルリンのツヤツヤしっとりした馬刺しに、ニンニクの効いたガッキ。これでキュ〜っと日本酒をいただくのがたまらん。これぞ人生最上のツマミ

馬刺しとガッキ
肉のマルリン

番外編②

善七乃湯には看板犬がいることで有名。
バーニーズのほたるちゃん。
フロントで「ほたるちゃんにご挨拶できますか」と尋ねると、ほたるちゃんの都合が良ければご挨拶させてくれる。
優しくて、穏やかな、スーパーキュートドッグ。温かくして元気に過ごしてね。

看板犬のほたるちゃん

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