見出し画像

側弯症手術なしvs手術あり 期間経過で起こる背骨の捻れを予測して治療は行われているか⁈


【はじめに】

あるくん歩行体操教室、姿勢トレーナーの東 史(アズマ フミ)と申します。ミドル、シニア世代の姿勢矯正、歩き方矯正トレーニングの指導をしています。教室の生徒さんのほとんどが、脊柱側弯症です。

医療の側弯症治療の目的は、背骨を少しでも真っ直ぐ改善することですが、私の教室では、背骨を左右前後に、元の動く背骨にすることを目標としたトレーニングをおすすめしています。


【垂直軸のズレで起こる背骨の捻れ】

解剖学の運動面と運動軸の図

上図は、解剖学の運動面と運動軸の図です。側弯症では、この運動面と運動軸の全てが崩れています。一般的には、側方への弯曲や回旋が特徴と認識されています。

しかし、背骨自体が、雑巾を絞るように捻じれた状態に、気付いたことはないでしょうか?この捻れは、背骨の動きを悪くして、改善を試みる運動をする時に、なかなか効果につながらない原因になります。

※背骨の捻れについては、下の記事をご覧ください。

下のイラストは、垂直軸と弯曲した背骨のために実際の運動軸がズレて起こる、体節の回転運動のイメージです。

垂直軸とズレた背骨で起こる回転運動

背骨の弯曲が、垂直軸からズレてはみ出ることで、体の中心からズレた部分に、体節の回転運動で、背骨に捻じれが発生します。
弯曲した背骨を、捻じれが強固にするため、肋骨の形状が不自然になります。

上の捻れの発生は、側弯症発生の初期には見られませんが、期間が経った、側弯症の方のレントゲンに、多く現れています。

最近は、SNSでご自分のレントゲン写真を投稿される方が増えています。
コブ角の比較をされているのですが、コブ角が悪化した時も改善された時も、期間が経過した方に、捻じれは強く現れています。


【側弯症手術で起こる背骨の捻じれ】

側弯症手術で真っ直ぐになったイメージ

上図は、側弯症手術後の背骨が真っ直ぐなった状態のイメージです。

前述した、背骨の捻れは、側弯症手術をしていない人に限られた問題ではありません。

背骨が真っ直ぐ保たれて、垂直軸が維持できている時は大丈夫でも、少しでも垂直軸から弯曲してズレ始めるとことで、手術で背骨を固定した部分の、すぐ上と下では、手術していない時と同様の捻じれが現れます。

側弯症手術後に背骨の捻じれが発生する場所

捻じれが現れるのは、側弯症手術から期間を経て、上と下に弯曲が発生した状態でも考えられますし、部分的に真っ直ぐでも、体が傾いてしまっても考えられます。手術自体が、背骨を完全に真っ直ぐにできない場合には、術後直後から捻じれ発生が始まると予想されます。

側弯症手術をしても、捻じれが発生することは、側弯症手術する方が増えて、手術していない方のコブ角の比較と同様に、SNSで投稿されているレントゲン写真のビフォーアフターに現れています。

側弯症手術なしと手術ありで捻じれの発生の違い

上のイラストは、側弯症手術をしていない時と側弯症手術をした時の、捻じれ発生の場所と大きさのイメージです。

手術なし:垂直軸からズレた場所で、全体的に捻じれが発生
手術あり:手術をした場所の上と下で、部分的に集中して捻じれが発生

手術なしでは、骨盤の直ぐ上の腰椎では、胸椎に比べ強い捻じれは発生しにくいです。しかし、手術ありでは、骨盤近くでも捻じれが発生して、部分的に集中します。

これは、手術なしで発生している捻じれ➊を、手術ありでは背骨が固定されていることで、固定したすぐ下の捻じれ①の位置に、力を集めて発生するのだと考えられます。

手術ありの捻じれ②については、手術なしの捻れ➋と、腕を使う方向や頻度などにも影響され捻じれが発生すると考えます。

捻じれの力の大きさについては、想像の域を超えませんが、手術なしで発生していた背骨の捻じれが、手術をしても発生することは確かだと言えます。


【医療の側弯症治療】

現在、医療では、手術治療が、高度の側弯症を矯正し進行を防止できる唯一の方法とされています。

医療が、背骨の捻れ発生を見越したうえで、手術を選択しているのかは疑問です。

もし、背骨の捻れ発生が、物理的に自然発生することの予測がされていなくて、手術直後の状態だけを見て、側弯症を矯正し進行を防止したと考えているならば、直ちに側弯症手術は見直されるべきだと考えます。

対処療法で、繰り返し手術しなおすことが当たり前に、側弯症手術が唯一の治療法として提供されているのであれば、切実に直したいと悩む脊柱側弯症患者にとって、あまりに不誠実で残念に思います。


この記事が、参考や刺激になったと思ったら、スキ💗
他の記事も、期待したいと思ったらフォローをお願いします!


垂直軸を構築しなおす側弯症運動療法『あるくんメソッド』

側弯症のご相談は、オンライン相談または教室へ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?