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石井光太 『絶対貧困―世界リアル貧困学講義』 (新潮文庫)

初出: mixi レヴュー 2011年7月10日

石井光太  『絶対貧困―世界リアル貧困学講義』 新潮文庫 2011年7月1日(初出: 光文社 2009年3月)

やられた というのが、この文庫本を本屋で手に取ったときの最初の感想である。

私より若い世代の、まさに同時代の‘世界’の素顔の記録として、今の若い人にも違和感なく受け止められるルポルタージュであろう。

私は、1992年から開発コンサルタント会社(民間)のスタッフとして主に国際協力機構(JICA)に代表される日本の政府開発援助の仕事に関わる中で、仕事で(開発)途上国の‘現場’を踏み、フィリピン駐在も2004年から2008年まで経験し、それなりにそれらの国々の表と裏をみてきたつもりであったが、この著者の壮絶なるまでに‘体を張った’取材を前にしては、自分の不明を恥じるほかない。

ついでに、同著者の『神の棄てた裸体 イスラームの夜を歩く』新潮文庫 2010(初出 2007)を購入した。


日本中東学会や国際開発学会にも所属している私であるが、‘学者’さんたちが、これらのルポルタージュを、どう評価するのか、ちょっと、やじうまめいた興味関心がある。

なお、私自身は「開発民俗学-地域共生の技法-」というコミュニティの運営を通じて、自分なりに‘世界’と‘開発’についての思索を続けている。

それにしても、この本の文庫本化は刺激的であった。

参考:
mixi 「開発民俗学-地域共生の技法-」


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