7号館3階農園から広がる世界―鴨台祭での活動報告③―
大正大学史上初のオンライン開催となった鴨台祭。そこに参加をした3つの班のインタビュー記事をお届けする企画ですが、今回が最後となります。
ラストを飾るのはキャンパス農園班です。普段は大正大学のキャンパス内にある自作の農園で活動を行っていますが、なかなか知名度が上がらないことを悩んでいた彼ら。キャンパス農園班の活動をより多くの人に知ってもらうために、「キャンパス農園ツアー」と題して鴨台祭への参加を決めたそうです。
そんな企画は無事成功。今回はキャンパス農園班の皆さんに「キャンパス農園ツアー」について、鴨台祭でのエピソードも交えながら企画のねらいや発案したきっかけなどを教えてもらいました。
キャンパス農園班メンバー(2020年秋学期時点)
山本空洋(SPS 人間環境学科 4年)写真左上
荒川綾司(人間環境学科 3年)写真左下
小池里英(歴史学科 3年)写真右上
近江由隆(臨床心理学科 2年)写真右下
(敬称略)
この活動、みんなに知ってほしい
―最初に、キャンパス農園ツアーの内容について教えてください。
山本:鴨台祭ではライブ中継と制作した動画の2つを配信しました。ライブ中継では自分たちの活動を広めるために、キャンパス農園を巡りながら日常的な活動を見てもらいました。制作した動画はストーリー形式で、滝野川地域の伝統野菜について触れつつ自分たちの農園や今後に繋がる活動を紹介するという内容でしたね。
―このキャンパス農園ツアーをやろうと思ったきっかけや、ツアーに至るまでの経緯はどのようなものがあったのでしょうか。
山本:まず自分たちが考えていた企画として、キャンパス農園班がオンライン上でも活動していくには、自分たちの活動を動画にするのが良いんじゃないかという話がありました。元々、滝野川ごぼうや滝野川にんじんといった地域の伝統野菜に注目していたこともあって、キャンパス農園班の活動と一緒に動画にしようという計画だったんです。それがちょうど鴨台祭の時期と重なったので、それなら動画を鴨台祭の企画として出したら面白いのではないかと思ったのがきっかけですね。
生配信についても、歩こう巣鴨班がオンラインツアーをするという話を聞いて自分たちもオンライン農園ツアーができるのではないか? と思い実施することになりました。
(歩こう巣鴨班へのインタビュー記事についてはこちらをチェック→
―なんというか、タイミングが良かったんですね(笑)
山本:そうですね。まるで最初から想定されていたかのような・・・(笑)
―そんなキャンパス農園ツアーのライブ配信と動画制作には、一体どんなねらいがあったのですか?
山本:ツアーにはいろんな人に僕たちの活動を知ってもらうという狙いがありました。新しく農園班に入った学生たちにももっと自分たちの活動に詳しくなってもらおうという目的もありましたね。結果的にはうまくいったんじゃないかと思います。
ツアーは成功、その理由は?
―ツアーが成功されたとのことを聞きました。うまくいったと思われる理由は、やはり農園班さんのやりたかったことを形にできたからでしょうか?
山本:ありがとうございます。そうですね、先ほど述べたようにタイミング良く鴨台祭企画と自分たちの考えていた企画がうまく噛み合ったことが幸いしました。何より、自分たちの活動を鴨台祭に絡めて活動を発信できたことが大きかったと思います。
近江:ねらいどおり、自分たちの活動を知ってもらうことはできましたよね。僕自身が把握しきれていなかった農園班の情報を改めて知ることができたので、見てくれた人だけでなく企画側であった自分自身にも得るものがありましたね。
荒川:僕は撮影担当でした。みんなで和気あいあいと楽しみながら活動することができましたので、僕個人としても今回のツアーは成功したんじゃないかと思っています(笑)近江くんの言うとおり、この班の活動にも詳しくなりましたしね。
―ツアーをやってみたときの周りの反応はどうでしたか?
山本:生配信では結構コメントも貰えたりしましたね。途中ハプニングなんかもあったりしたんですけど、かえってそれがライブ感ならではの演出になったのかなあと。
荒川:始める前はコメントが来なかったらどうしようといった不安はあったんですが、思っていた以上にコメントをいただくことができました。こちらであらかじめ想定しておいた質問も投げかけてくださったので、僕たちも答えやすかったです。
ハラハラさせられた、舞台裏エピソード
―先ほど仰っていたハプニングについて教えてください。
小池:当日に1つ大きなハプニングが起こりましたね。前の団体発表が終わっていよいよ生配信が始まるという瞬間に、機材を接続している有線が切れてしまったんです。パソコンはシャットダウンするしネットにも繋がらないしで、本当に焦りました(笑)
―それは大変でしたね。どうやって対処したのですか?
小池:現状はどうなのかとか、どうすればいいのかを現場から伝えてパソコンを復旧してもらいました。その後現場と機材のある場所を急いで行き来してZOOMを繋いで、なんとか始めることができました。私たちは普段から農園班全体での情報共有がうまくいっていたこともあって、そうしたピンチにも対応できたのかなと思います。
―農園班では全体でのコミュニケーションが常になされていたのですね。当日までにも何か印象的なエピソードはありましたか?
小池:リハーサルでは私たち自身は結構うまくいったと思って自信満々だったんですけど、担当の古田尚也先生からの評価は辛かったんです。当初は農園紹介に重きを置いた動画を考えていたのですが、それでは配信企画と同じ内容になってしまうからだめだ! と言われてしまって。そこで動画ではより動きを取り入れたストーリー形式で活動の様子を映すことにしました。
アイディアは、溢れるばかりに
―最後になりますが、今後の活動について考えていることがあれば教えてください。
小池:キャンパス農園班は学生間でたくさん意見が出る班なんです。そのため実行に移していないアイデアもたくさんあるんですね。例えばひとつの木で色んな果樹を育ててみるとか、最近収穫したへちまを使ってへちま石鹸を作ったりとか。
―できそうなことがたくさんありますね!
小池:そうなんですよ!本当にキリがなくて(笑)
山本:キャンパス農園班担当の古田先生のご指導も、アイデアの形成に大きく関わっていますね。
小池:でも私たちは伝統野菜に注目しているということもあって、次は鴨台祭の動画の続きを作ろうと思っています。地蔵通りの歴史と絡めた内容を入れた動画にする予定です。後は消化しきれてないアイデアを少しずつみんなと一緒にやっていければいいかな。
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インタビューでは、皆さん楽しそうに当日のエピソードを語ってくれました。キャンパス農園班メンバーの繋がりの深さや豊富なアイデアがツアーの成功に導いたこと、さらには今後の展望が明らかになったと思います。
実は取材中、農園班の収穫した里芋やさつまいもが大正大学内にある鴨台食堂でも使用されることが明らかになりました。こうした自分たちの領域を越えて連携を取っていくことは人と人との繋がりを生み出し、より豊かな活動に結びつくのではないかと感じられました。
11月開催だった鴨台祭では、多くの班が新型コロナウイルス感染症の影響により様々な制約があったなか、オンラインで巣鴨の街並みや大正大学の魅力を配信していくという形をとりました。結果、時代の変遷に合わせたやり方で慣れない環境に悪戦苦闘しつつも「すがもプロジェクト」は大きな山場を乗り越えられたように思えます。今後も各班の活動にご期待ください。
記事・中澤(メディア班ライター)
2020年12月9日取材