拙速は巧遅に勝る〜ある人からの中間報告〜
本投稿のGOAL:
「拙速」と「巧遅」を比較し、自分なりの考えを持つことができる。
アルカスユース熊谷、ヘッドコーチの菅原です。
1、ある人からの中間報告
昨晩、ある人から突然電話が。。
以前にも登場した、横河武蔵野アルテミスターズ所属、石見智翠館高校時代の教え子、青木蘭選手です。
先日、Zoomのテストも兼ね、女子ラグビーのあれこれについて意見交換をしたのですが、今回の連絡は、その中間報告でした。
昨日ご紹介した本、
「できるリーダーは失敗が9割」
の中に、著者・小山昇氏のこんな言葉が紹介されていました。
「中間報告のない作業は、やっていないのと同じ。」
Zoomでは、別に具体的に何かやり始めよう、と約束したわけではなく、お互いアイデアを出し合い、「できたらステキだよねー」程度の会話でしたので、本来中間報告もクソもないのですが笑、彼女からの連絡を受け、この言葉を思い出しました。
やるな〜蘭。
彼女はその翌日(当日?)から、早速そのアイデアを実行します。
YouTubeチャンネルを開設し、自分の生活や考え、プレーを紹介したり、女子高校生ラグビー選手たちとオンラインミーティングを開催し、彼女たちの意見を吸い上げたり、三重パールズ所属で現役女子15人制代表の山本実選手とのオンライン対談を公開したり…。
まだまだ実践していないアイデアもあるようで、中間報告というより、そのアイデアを共有してくれたカンジです。
2、「拙速は巧遅に勝る」
紀元前5世紀に成立しながら、現在も各方面で根強い支持を集める中国の兵法書「孫子」。
その中に記された言葉です。
「拙速」(せっそく)とは、読んで字の如く「拙い(つたない)が、速い」という意味。
考えやまとまりが不十分だったとしても、まずはやってみる、と噛み砕けます。
一方「巧遅」(こうち)とは、こちらも読んで字の如く「巧いが、遅い」。
しっかりアイデアを練ってから、リスク、リターンが計算できる形で実行する、ということです。
「孫子」では、「拙速」の方が「巧遅」よりも優れている、と説きます。
孫子が成立したのは春秋時代、要は戦国の世ですから、物事には常に人の生死がつきまといました。
いささか大雑把なまとめですが。
でも、だからこその説得力というか、凄みがあります。
「拙速」と「巧遅」。
現世は春秋時代ではないので、どちらかに優劣をつけるつもりはありません。
どちらにも優位性があって、どちらにも欠点はあると思います。
私は性格上、どちらかと言うとじっくり考えてから物事に臨むタイプだと自分では思っていて、だから「巧遅」主義…、というわけではありませんが、「じっくり考えることも必要でしょ⁉︎」という考えを捨て切れないタイプです。
ただ、これまた以前ご紹介した本、
「ハック思考」
にも書かれていたのですが、
「時間をかけて考えても、40秒だけ考えても、出る結論は同じ。」
という考えにも、強く共感できます。
皆さんはどちらですか?
青木選手は、迷わず「拙速」を選択しました。
もちろん彼女のアイデアが「拙い」と言いたいのではないですよ。
ただ、めちゃくちゃ速かった。
彼女のアクションを受け、「巧遅」よりも「拙速」の方が、受ける側からすれば感動は大きいのかな、と感じました。
3、最後に
日本における女子ラグビーの認知度を広げるために、選手の立場から女子ラグビーの情報を発信し続ける青木選手。
目標が日本代表じゃなくてもいい。
とにかく女子ラグビー選手にラグビーを諦めさせない。
そのために女子ラグビーの実態、魅力を伝え続ける。
そして裾野を広げていく。
青木選手、山本選手はじめ、様々な女子ラグビー選手、関係者がハードワーク、情報発信をしています。
皆の努力が、どうか報われますように。
他人事ではありません。
日本の女子ラグビー選手たちが、
「ラグビーを選んでよかった。」
と心底感じられるように。
そして、これまでラグビーを諦めなかった女性たちの想いを途切れさせないために。
私に何ができるか。
改めて考える、大変貴重な時間でした。
蘭、ありがとう。
また情報交換しようぜ。
本日もお読みいただき、ありがとうございます。
ARUKAS YOUTH KUMAGAYA ヘッドコーチ 菅原悠佑
ありがとうございます。今後ともアルカスユース熊谷をよろしくお願いいましたす♪