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Today's心理バイアス~サンクコストの誤謬~

始めにスムーズな理解のために補足しておくと、サンクコスト=埋没費用、誤謬=間違い、などと訳されます。

今回紹介する心理バイアスは『サンクコストの誤謬』です。

サンクコストの誤謬とは『過去に費やしたお金や時間などの、もう取り返しのつかない費用が頭から離れず、目の前の選択で悪影響を及ぼしてしまうこと』をいいます。

例を挙げると、映画館に入って、映画を見始めてから早30分、その映画がとてつもなくつまらなく感じ、そのあとの展開にも全く期待が持てないとき、私たちはどう行動するでしょうか。

仮に私たちが合理的な人間ならば、シンプルな合理的犯罪モデル(smorc)に則り、費用便益分析を素早く行います。
そして、『今この瞬間に席を立って、このくだらない映画を見るのをやめにして、家で優雅にNETFLIXでも見た方が、こんなつまらない映画で残りの上映時間である90分無駄にするより、圧倒的にいいな。』などと考えて、勇み足で映画館を後にするでしょう。

ですが、我々は我々が信じているほど合理的ではありません。

ここで、サンクコストが襲い掛かってきます。

いくら映画がつまらなくて、雲行きが怪しくても、映画代2000円と交通費500円、もう見てしまった30分が頭をかすめ、ここで映画館を後にするとそれらの費用が無駄になってしまった気がしてしまって、その映画を見続けてしまうのです。

サンクコストにより、よりよい選択肢を選べなくなってしまっています。


サンクコストは既に費やした費用であり、それを無駄にするのが心苦しい、、、『もったいない』という感覚に近いと思います。

サンクコストの誤謬を踏まえると『もったいないがもったいない』わけですね。

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