Today's心理バイアス~多様性バイアス~
今回紹介する心理バイアスは『多様性バイアス』です。
このバイアスは実験を先に見た方が分かりやすいです。
ある実験で被験者はこれから、3コマの授業を受けるように指示されます。
そして、1コマにつき1つのお菓子を6種類(一度は食べたことあるような市販のお菓子)のお菓子の中から選ぶように言われます。同じお菓子を3つ選ぶことも許されています。
被験者は3つお菓子を選んでもらえるわけです。
ここで被験者は2つのグループに分けられます。
一方のグループの被験者は授業が始まる前の時間のたびに実験者に集められ、6種類のお菓子から1つのお菓子を選ぶように言われます。
もう一方のグループの被験者は1つ目の授業が始まる前にあらかじめ3コマの授業分のお菓子3つを選ぶように言われます。
授業のたびにお菓子を選ぶのと、一気にお菓子を選ぶのでは選好に違いがあらわれるのでしょうか。
一考すると、お菓子を選ぶタイミングによって、お菓子の味は変わらないので、お菓子の選好に差は生まれないように思えます。
ですが、結果は違いました。
3コマ分のお菓子をあらかじめ選ぶように言われたグループは、1コマごとにお菓子を選ぶように言われたグループよりも、違う種類のお菓子を選ぶ傾向がありました。
ここで被験者のタスクを考えてみましょう。
3コマ分のお菓子をあらかじめ選んだ被験者は未来の効用(どのお菓子を選
べば自分は満足するか)を考えなければなりません。
そして未来を予測する彼らには、あらかじめ選んだお菓子を実際に食べる時にはそのお菓子を好まないリスクがあります。(なんでこれ選んだんだろ現象)
一方、1コマごとにお菓子を選ぶ被験者は選んですぐにそれを口にするので、お菓子を選ぶ時と食べる時とで時間があまりたっていないので、お菓子の選好に変化はあまりありません。
この点から本心からの選択を行っているのは1コマごとにお菓子を選ぶ被験者だといえそうです。
逆に、3コマ分のお菓子をあらかじめ選んだ被験者は、本心から選択をできていない、自分が本当に欲しているものを手に入れられていない状態だといえそうです。
この現象を多様性バイアスと呼びます。
多様性バイアスとは『連続した選択を、逐次行うときと、一度に行うときで、一度に行うときのほうが自分の好みに関係なくバラエティに富む選択をしてしまう傾向があること』です。
これを踏まえると、1週間分の食べ物を週の初めに買い込むのではなく、1日ごとに食べ物を買いに行く方が主観的な満足度は上がります。
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