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おばあちゃんのアロエ

おばちゃんは、植物が好きだった。

おじいちゃんとおばあちゃんは、古い家屋に小さな畑と綺麗なお庭を大切にして暮らしていた。

大きな玄関には、月下美人や胡蝶蘭、金のなる木が並んでいた。

中でも高さが1m以上ある大きな木立アロエは、思い出深い。
ケガをしたとき、おばあちゃんに傷口に塗ってもらった。アロエはね、お肌を綺麗にするのよ、そう言いながら。(民間療法の是非は昭和全盛期のため、多目にみてほしい。)

おじいちゃんが亡くなり、おばあちゃんも認知症で施設に入ってしまった。介護などのため、少し前から両親が同居していたが、父も母も室内植物に興味はなかった。

掃除の邪魔だと、全部外に出され、管理もされない伸び放題のアロエたち。

大学を卒業し、実家に帰ってきた私はおばあちゃんのアロエたちの世話をはじめた。

不要なわき芽を抜き、大きな鉢に植え替えていった。わき芽は挿し木し、どんどん増えて行く。増えた鉢はお嫁に出した(笑)

世話した植物は、私にとって『我が子』なのだ。

そのうち、アロエが花を咲かし、種ができた。
トレーにキッチンペーパーをしき、水を浅く張って、種を蒔く。
白い芽が出て、小さなアロエが顔を出す。


命の始まり。

この瞬間を見るのが大好きだ。

無限大の希望、何者にもなれる可能性。
ピッカピカの命が、眩しい。


このことが、今のわたしを作っている。
希望の種が蒔かれ、発芽した瞬間の黎明期。
混沌とした中で、もがくことを楽しむ。
心の時代が始まった。




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