セブンイレブンいいキブン
セブンイレブンのコーヒーが好きだ。
酸味が立たず、苦味のなかにほのかに感じる甘み。
コンビニのコーヒーでは一番美味い。
もちろん個人的な好みではあるが。
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今朝もホットコーヒーSサイズ ¥100をテイクアウトしようとセブンイレブンに立ち寄った。
「あのぅ、コーヒーの小ちゃいのください。」
ワタシは
「ホットコーヒー、Sサイズで。」
と言えないのだ。
サイズと言うのがカッコつけているようで。(大幅にだせぇ。)
客観的に考えれば、Sサイズと言うことがカッコつけているわけではない。
それは間違いなく。
ただ、恥ずかしくてSサイズという単語が使えないのだ。
自分でも意味が分からない。
もうそれは、猫がワンと鳴くぐらい、意味不明であるのだ。
ちなみにウチのワンコはたまにニャーと鳴く。
どうでもいい。
今朝の話だった。
まあ、そんな訳で
「コーヒーの小ちゃいのクダサイ。」
と、レジで頼んだ。
レジの女の子に
「100円になります。」
と言われ、財布の小銭入れを探ると50円玉しかなかった。
夏目で100円のコーヒーだけ頼むことに負い目を感じたワタシは
「あ、あと178番のタバコもクダサイ。」
と追加でタバコをオーダーした。
ワタシが吸っているタバコとコーヒーSサイズで、
ちょうど500円。
これなら彼女もお釣りを渡すのに手間がないのだ。
彼女は、ワタシが追加でタバコを頼んだにも関わらず
「500円になります。」
嫌な顔もせず微笑みながらそう言った。
とても、とても清々しかった。
『ここはスマイルで応戦だ』
そう思ったワタシは
微笑みながら、夏目を彼女に渡した。
「1000円、お預かりします。」
「500円のお返しです。ありがとうございます。」
その時だった。
このご時世では考えられない
『オツリテワタシチャウンダカーラ』
を繰り出したのである。
(今って、お金のやり取りをトレイ上で行いますからね。)
敵ながら天晴れ。
いや、敵ではねえ。
That's 触れ合い。
オーケイ、受けてたとうぞ。
右手を差し出した。
しかし、ワタシは甘かった。
彼女はそんなことで終わるタマではなかった。
『テワタスノニヒダリテソエテミギテデワタシチャウンダー 』
を繰り出したのだ。
「嘘、、だろ、、、、」
この時点でワタシのHPは青ゲージから赤ゲージにまで減っている。
だが、ここからだ。
まだやれる。ジャイアントキリングだ。
そう自分を奮い立たせ、彼女の顔を覗きみた。
きゃうん❤
そのとびっきりの笑顔に
『この娘、もしかして俺のこと......』
きゃうん❤×2
いや、それはない。
と、いうかねえ。そんなことは。
あるわけねえ。
そう思ったものの、彼女は添えた手をなかなか離さない。
きゃうん❤×3
『こ、これは、ワンチャンあんじゃね?
ってかよ、まだ見てるぜ、俺のこと、、、
やっぱり俺のこと、、、、」
きゃうん❤×4
「ありがとうございました。」
その声に正気を取り戻したワタシは
『俺のクソ野郎が!そんなことあるわけねえじゃろうが! この大アホウが!』
と思いながら、店を後にしようとした。
それでも。
彼女のことが気になり、振り返ったワタシが見た光景は
次のおじさんにも同じ対応をしていた姿だ。
カッコ悪。