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印象派に埋もれた「王道」の名画
【アート書き散らし】
作品や画家のことなどサクッとゆるっと語ります。
現在、国立西洋美術館でモネ展が開かれており、連日大盛況となっています。
モネを含む印象派は、今となっては超絶大人気!
でも彼らはもともと絵画の主流ではありませんでした。
印象派が登場したのは19世紀後半のフランス。
では当時、印象派の代わりにどのような絵が隆盛を誇っていたのでしょうか。
「王道」だった美術とは
ところで当時のフランスには「サロン」という王立の展覧会がありました。
当時の画家が名を上げるためには、サロンで評価されることが必須でした。
下の絵はサロンに出品され、高く評価されたものです。
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サロンで好まれたのは、理想的な美を追求したもの。
つまり、デッサンがきちんとしていて、絵肌が滑らかで、色がバランスよく塗られているような絵です。
このような「正しい」絵の書き方は、「アカデミー」という王立の美術学校で学ぶことができました。
アカデミーの技術を活かした絵画は「アカデミック美術」と呼ばれています。
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逆にいうと、アカデミックでない絵(印象派など)は「ちゃんとした絵」とは認められず、排除される傾向にありました。
人気者ではないけれど
アカデミック美術は保守的すぎる面があったことから、現代はちょっと敬遠されがち。
単調でつまらないと言われることも多く、同時代の印象派などと比べてあまり人気がありません。
でも、美しい絵ってなんだかんだ良いものです。
アカデミック美術の中でも、特に素晴らしいのが女性の描写!
(サロンの審査員のほとんどは男性であり、綺麗な女性の「いろんな姿」に需要があったのでしょう。)
まるでそこにいるような立体感、それでいて現実の女性ではありえないような美貌とスタイル。
そして目を引くのが、輝くような肌の質感です。
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国立西洋美術館で見ることができます。
モネ展のついでに立ち寄ってみてください。
もう信じられないくらいすべっすべですよね!
この滑らかさは他ではなかなか見られません。
色の塗り方にムラがなくて本当に美しく、陰影もさりげなく表現されていて、色合いが意外と複雑なのも見応えがあります。
アカデミーで地道に鍛えた技術力あってこその表現でしょう。
「正統派」もやっぱりいい
アカデミックな美術のいいところは、目に心地良いところ。
見た人が素直に美しいと思える絵を描くのは、そう簡単なことではないでしょう。
斬新さや面白さだけが美術の魅力ではありません。
今回のアカデミック美術を踏まえて印象派を見てみると、印象派の新たな魅力が見えてきます。