僕にとっての田村正和 様
先日、俳優の田村正和様がお亡くなりになられました。謹んでご冥福をお祈り致します。
また俳優として一人の人間として敬愛するファンの一人として、彼の功績が光り輝き続けます事を心より願います。
さて、名俳優の田村正和 様について僕の思った事を書かせて頂きますが、僕らにとって一番印象に残っているのがドラマの古畑任三郎ではないでしょうか。
各分野に秀でた強者達が特技や職能を活かして完全犯罪を目論む。毎回豪華ゲストの演じる犯人役達は思わず同調してしまいそうな魅力的な人物ばかり。
そこに現れる一風変わった色男。それが田村正和様の演じる古畑任三郎なのだ。
古畑任三郎は今泉君という出来ないタイプの部下を抱え、時に黄金の小さめの自転車で現れる。決して硬派一筋という性格でもなく、甘いものは食べるし、お茶の間を笑わせる一面もあったりする。しかし事件解決率100%の凄腕刑事なのだ。
豪華ゲスト演じる強者犯罪者たちは自分の人生を輝かせたり守ったりする為に犯罪を犯す。人間の欲がそうさせるのだ。
その前に立ちはだかる古畑任三郎というスラっとしたタイプの男。
彼の頭脳明晰な推理と経験豊かな口調には「我こそが一番なり!」という各界の凄腕達が最後には逮捕されて行く。
詳しくはドラマを見ると分かる。
そんな彼の大きな大きな功績の一つが「良い男像を転換させた」という事ではないかと僕は思っている。
田村正和様という素晴らしい男の出現の前には、高倉けん様というこれまた格好良い男がいた。雪の中立っているだけで絵になるような、誰もが認める良い男だった。
そんな高倉けん様のイメージもあってか、巷の男達の間でも男は黙って仕事して、熱燗の酒でも飲んで、どこか深い思案でもあるかのようにしていれば格好良い、少しづつ崩れて行ってスポーツと言えば野球一筋、息子とキャチボールを言葉を交わさずに…という美学が存在したように思う。
それはそれで、ものすごく素晴らしい文化だと思う。
そんな文化の潮流の中、イメージで例えるならば、夜がふける少し前の時間にビリヤードを強く叩く男が一人…ビリヤードの玉の甲高い弾ける音の先には黒または紫のジャケットを着た細身の男が、薄暗い照明の先に自分とは別の方向を見ている。
それが田村正和(様)という色男。
決して腕力や男達の世界のセンスを押し付けてこない…巷の男達とはどこか会話が違う。
違う会話の裏側には、人生経験やセンスの良さが見え隠れして光っている。
その妖艶な光りを放つ男。
そういう新しい良い男のイメージ像へと導きいてくれたのが、田村正和様ではないかと僕は思う。
彼は俳優業界に限らず、新しい美学を創り出したのだ。
男の本物の強さとは、他にも種類のあるものだ…
そう彼の演技と生涯は僕らに教えてくれている。
皆さんはどう思いますか?