仏教の三大真理とは ③ 三大真理とは
ついに三大真理(= Universal Truth)について書いていこうと思います。
①仏教の三大真理 ① 2500年続く教え
②仏教の三大真理 ② あらゆることを経験した人=仏陀
仏教には「色即是空 空即是色」や「無我」「カルマ」など難しい概念がたくさんありますが、とりあえず今回は仏教の基本となる三大真理をどうぞ。
①諸行無常
中学校あたりで習った
「祇園精舎の鐘の音 諸行無常の響きあり」
で使われている言葉ですね。
諸行無常の響きって…??
諸行無常とは、
世の中の万物は全て変化し、不変なものや絶対的なものは存在しない
という意味です。
英語で言えば、
「Nothing lasts forever.」
「Nothing stays the same.」
です。
Maroon5 も歌ってますよね。笑
ありきたりな言葉で言うと
「始まりがあれば必ず終わりがある」
ということで、人間も国も文明さえも生まれは死に、いづれ滅びることは避けられないという真実です。
昔の権力者があらゆるものを手に入れ、最後には不老不死を得ようとしますが、その願いも叶わず最後には儚く散るなんてストーリーよくありますよね。
アラジンとか秦の始皇帝とか。
松尾芭蕉の詠んだ
「夏草や 兵どもが 夢の跡」
というような感じですかね。
なので
祇園精舎の鐘の音 諸行無常の響きあり
とは祇園精舎(仏陀が説法を行った)の鐘の音には、全ては生まれては消え無常であるという響きが含まれているって感じですかね。
そのあとに続く
盛者必衰の理をあらわす おごれる人も久しからず
もどんなに栄えようともいずれは滅びるという意味です。
仏陀は全ては変化している中で不変のものを求めることこそが苦しみの原因と説きました。
そう聞くとスケールがでかいですが、身近なものでいうと
お金や年収
今のポジションや役職
恋人との今の理想的な関係
変えられない過去の過ちや元カレ元カノの存在
終わって欲しくない今
年を取りたくない若さへ想い
などなど誰もが普通に思うことです。
この変わってしまうことを変わって欲しくないと願うことを〝執着〟と呼び、この執着が苦の根本的な原因であると説いています。
コロナのより世界が変革にある中、自分の執着を見つめ直す期間にきてるのかなと思います。
全てに終わりがあるというのは「楽しいこと」や「生きること」を考えると悲しいですが、逆説的に悲しいことさえもいずれ終わるという捉え方ができれば気楽になることもあるかと思います。
②諸法無我
諸法無我とは世の中のあらゆるものすべてがお互いに影響を与え合って存在しているということです。
英語で言えば、
「Everything is connected.」
「Nothing cannot exist without others.」
という感じかなと思います。
簡単にいうとあなたの存在はあなただけでは存在し得ないということ。
あなたにはお母さんとお父さんがいて、その二人にもまた両親がいて、またその二人にもまた両親がいて、どの存在が欠けても今のあなたにはたどり着けません。
同じく自然でも花が咲き、虫がその蜜を吸い、虫に付着した花粉が別の雌しべと合い受粉をする。
決して木という存在だけでは森は維持できず、虫や動物、天候など全てが影響し合い存在できているということです。
「あなたは決して一人ではない」
「一人じゃ人間は生きられない」
という言葉は綺麗事に聞こえてしまいますが、この言葉の本質や根本はここにある気がします。
他者がいてこそ自我の認識ができるという言葉通り、自分一人ではこの世には存在できず、全ての存在の相互関係の上に「あなた」がいるという考え方です。
そしてその関係性を因果(因縁=原因、果報=結果、報い)といいます。
この辺りが「因果応報」「縁起」「カルマ」「空」などの概念に繋がっていきますが詳しくはまたそのうち。
③涅槃寂静
三大真理の最後は涅槃寂静です。
英語でいうと
「Nirvana」
「Quiet and peaceful」
です。
アメリカの有名なロックバンドの名前と同じですね。笑
その意味はというと①②の真理を理解できれば、
ニルヴァーナ =(心が静かで平和である状態)
に辿り着けるということです。
涅槃とは
煩悩の炎の吹き消された悟りの世界
を指す仏教用語で、
寂静とは
煩悩(①②)を離れ苦しみを絶った解脱の境地
で、感じの通りひっそりと静かな状態を指します。
すなわち
全ての物事が変わりゆくことを受け入れ
縁起という関係性の中にあなたが存在していること
を理解し受け入れられれば、目の前に起きている事象や現象に一喜一憂されず、心が落ち着き安らぎを感じられるということです。
いわゆる悟りの境地ってやつです。
3つ目だいぶあっさりでしたが、仏教の三大真理とはこのようなものです。
当たり前っちゃ当たり前の話でしたかね?笑
あっさりしてしまった分、最後に僕の好きな志人というアーティストの
「ニルヴァーナ-涅槃寂静-」
という曲をご紹介します。
ちなみになぜところどころ英語で訳を入れていたかというと、ツアープランナーの仕事で海外のゲストに日本の仏教感を説明するときによく使っていたからです。
英語の方がシンプルに入ってくる感じもあったので、載せてみました^^
仏教にはまだまだ面白い言葉や概念がたくさんあるので、定期的に書いていきたいと思います。
なぜ仏像はこんなにも巨大に作られるのか…
ちゃんとうまく伝えられてるか不安ですが、何事も想い通りにいかないことを理解し受け入れるのもまた仏教ということで、今日は終わりたいと思います。
それではまた、お時間あるときにでもお付き合いください^^