「伝える」ではなく「伝わる」を意識する
「伝える」という想いが強くなりすぎていませんか?
アート制作や写真撮影の活動は、どちらかといえば「自己主張」が強い作品制作のイメージがあります。
今の世の中に対する不満や今の心境を作品にして公開する。もちろんそれはクリエイティブな活動をする上で大切なことだと思います。
だけど現在の日本では「自己主張」の作品が炎上する場合もあるので、作品制作をする目的や制作の背景(ストーリー)を添えて発信することがとても大事な要素になってくるんですね。
「伝える」から「伝わる」に意識を向けることで、価値が生まれてくるのではないか、という話をしたいと思います。
以前はアート作家だった
現在の僕は、アート×写真家として「心の芯までひびくストーリー性のある写真を撮影する」をコンセプトに活動をしています。
以前はデジタルアート作家として、グラフィックデザイナー時代に身につけたPhotoshopのスキルを使ったアート制作活動をしていました。
例えばこちらのような作品です。
このときは「芸術で地球を塗り替える」ということをテーマにアート活動をしていたのですが自己主張が強すぎたせいか「何かわからないけど、とにかくすごい」という印象しかもってもらえなかったんです。
「何が足りないんだろう?」
そう考えた時、グラフィックデザイナーをしていたときのことを思い出して「作品を伝える」のではなく「伝わる作品」にする必要があることに気がつきました。
実はこの「伝わる」という言葉には大切な部分が隠れているんです。
まず「伝える」は、良くいえば「自分らしいものを発信する」ということですが、悪くいえば「自己主張を押し付ける」という風に受け取ってしまうことがあるんです。
一方で「伝わる」は、「伝わる=相手にとって価値のあるもの」とつなげることができるため、伝わる作品には魅力を感じてもらうことができるんです。
「伝わる」ものは何かを考える
「伝える」ことはそれほど難しくないものなんです。なぜかというと、自分の好きなことを表現するだけでいいから。だけど「伝わる」を作品にしようと思うと、結構難しいんですよね。
そこで僕は、今の世の中のマイナスな部分が何かを考えることにしました。
ストレスの原因になるものは何か?
イライラする原因になるものは何か?
自分の時間がない理由は?
家族とうまくいかない理由は?
仕事がうまくいかない理由は?
炎上する理由は何か?
それらを考えると、全て自分に当てはまることでもあり、周りの人が感じている悩みなんですね。
ということは、自分の悩みが改善できる方法が見つかれば、それを発信すればいいのではないか。何かの悩みを抱えている人がそれを参考にして改善することができる。それが相手の感じるメリットではないでしょうか。
「伝わる」もの、それは自分自身の悩みを改善する方法を発信することだと思います。
クリエイティブ的な考えをもつ
デザイナー、芸術家、写真家はどれも特別な資格というものがなく、技術を上げるためには経験と学びをし続けることでそこに価値を生むことができるんです。
少し前まで「デザイナー=機能するデザインをつくる人」「芸術家=自分の思いを表現した作品をつくる人」「写真家=心の中で感じたイメージを写真に落とし込む人」という考えで分けていました。
だけど今の時代では、デザイナー、芸術家、写真家はクリエイティブな部分も身につけていかなければ、それで生活をしていくことができないんですね。
その作品が相手にとってどんなメリットがあるのかを発信することも大切で、ブランディング、マーケティング、セールスの知識が重要です。
その知識を学ぶためには、「伝える」のではなく「伝わる」発信をすることなのではないでしょうか。
「伝わる」文章の例
少し簡単に僕が撮影した写真を使って「伝わる」文章について紹介したいと思います。伝え方によってその写真の印象が違ってくるので、ぜひ試してみてください。
実際に僕が撮影した夕日の写真ですが、その写真の魅力を感じる紹介文は「A」と「B」のどちらでしょうか。
A、
滋賀県で見た夕日が綺麗だったので写真を撮りました。たまには空を見上げてみてください。もしかすると綺麗な夕日に出会えるかもしれませんよ。
B、
あなたが最近意識して夕日を見たのはいつですか?
僕は先日の週末に、出向先の仕事が終わって滋賀から京都へ帰る途中、幻想的なオレンジ色をした夕日に出会うことができたので、カメラバッグから一眼レフを取り出して1時間ほど綺麗な夕日の写真を撮っていました。
実は夕日を見るのには「ポジティブになれる」効果があると言われています。
夕日には、幸福ホルモンを向上させる「セロトニン」が分泌されていることで「幸せ」「前向き」になることができると証明されているんです。
もし仕事が早く終わることがあれば、帰宅する前に一息入れて空を見上げてみてください。
今日あった嫌なことが吹き飛んで、明日の仕事に集中することができるかもしれませんよ。
いかがでしょうか、おそらく「B」の方が状況をイメージしやすいかと思います。「A」は伝える、「B」は伝わる。
発信した文章から、いかにその時の状況をイメージしてもらえるかが大切なことで、「伝わる=興味を持ってもらえる」ということなんですね。
ブログ、SNSで「伝わる」発信を続けていると、どんどん興味を持ってくれる人が増えてきます。
僕が毎日意識していることは、「伝える」ではなく「伝わる」活動や発信をすることです。