【読書】水底フェスタ
「水底フェスタ」辻村深月著を読了。芸能人の由貴美が復讐のために田舎に戻り、広海との恋に陥る話。
皆の思い込みが食い違うので、どれが本当の話なのか分からなくなり、読んでいて混乱をきたした。日馬の彫刻刀のくだりは、目を背けたくなったが、真実を知りたくなり、中盤からページめくりが一気に進む。
田舎の、外部から転入した人に対する当たりの厳しさも描かれているが、わかる気がする。転校生が当たり前に入ってくる居住地でないと、外部の人への拒絶感はあるなぁ。ただこれも、人が自分や子どもを守るために必要な習性なのだとも思う。戦国時代は領地を奪い合い権力を奪い合って子孫を繁栄させたし、戦争の時代は国と国で領土奪って繁栄させた。規模は違えど、村でも同様の事が起こってもおかしくない。
辻村深月さんの文章は、人間の性質や習性を表しているようで引き込まれる。「水底フェスタ」も修正を考えさせられる作品だった。