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【読書】ナベちゃんの嫁

夏休み8日目。暑さに負けた妻と中学生息子を家に残して、遊び盛りの幼稚園の娘と二人で電車に乗って水遊び場に向かった。家事子育ての隙間時間でも本が読めるのがオーディブルの良いところ。そして、「ナベちゃんの嫁」辻村深月著をオーディブルで読了した。短いストーリーの中に考えさせられる事あり、心に残る話だった。

同じサークルの女性から男性として扱われ無いナベちゃん。そしてその嫁がやばいと言う話。私自身、おそらく女性ホルモンが人より多い(中性的な)男性だと思うので、ナベちゃんの扱われかたがよく分かる。違うのは、ナベちゃんはその扱いを良しとしてなかったが、私はそれが嫌ではなく、憧れのYOSHIKIが中性的な雰囲気なのでむしろそんな自分は好きでもあった。ただ、ナベちゃん自身はそんなふうには扱われたくはなかった事実を、周りの女性は感じながらも目をつぶっていたのだった。

そんなナベちゃんの事が一番だと表明したヤバい嫁に対して、周りがとやかく言う権利があるのだろうか。幸せならそれでよいのかも知れない。むしろ、とやかく言う事自体が傲慢なのかも知れない。

辻村深月さんは「鏡の中の孤城」や「傲慢と善良」など、心を深くえぐる作品が多くて好きな作家さんだが、この作品もとても好きだな。


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