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インド映画の前世紀からの概略を考える(覚書)

インド映画の前世紀からの概略の流れ(概要の覚書)

カウンターカルチャー:インドのオルタナティブシネマを考える。
それ以前の流れを、イメージと文化の視点から、全体のごく概要を考える。

・追記の項目として、国立映画開発公社(NFDC)

インド映画は、20thには、主流から逸脱した映画は、国立映画開発公社(NFDC)に依存せなければならなかった。それは、制作と配給を国の資金に依存すること。ただ、わずかな予算で、歌と踊りのシーケンス(ほぼ順序立てのある-日本の時代劇のような)を含む、人気のある映画の商業的な比喩が取り除かれた。緊縮財政が強制されたことにより、制作価値は、横に置き、そのような風変わりな映画となっていた。
それと共に、国立映画開発公社(NFDC)のサポートにより、資金へのアクセスと、作品の美学、形式、スタイルを実験するためのライセンスが提供された事も確かだった。
それは、1970-80年代にかけてリアリズムに浸り、メディアや映画の学者によって、*パラレルシネマ(Parallel cinema)として、すべてのインドの言語で波に乗る流れだった。
当時のインドの政府は、国の社会的現実と文化史を反映しながら、国際映画の技術的な輝き(イタリアのネオリアリズムや、欧州のアートハウス系映画)に匹敵する高品質の映画を制作することを目指していた。
(註)*パラレルシネマ(Parallel cinema):インド映画のネオレアリズモ(Neorealismo/例えば、デ・シーカの自転車泥棒-1948)の影響を受け、シンプルさを受け入れるなどのムーブメント及び作品群。

・国の主導によるコンテンツの制作は・・

ただ、国の主導によるコンテンツの制作は、出展者の関心の低下、そして、質の問題も発生する。
1990年代には、NFDCが制作する映画の数が大幅に減少している。しかし、一部の監督は、「社会の周辺から、抑圧された声を表現する」という理想に妥協することなく、高品質の映画を作ることに固執していた。
シャジ・N・カルン(Shaji Neelakantan Karun,1952- /インドの映画監督) は、1989年のカンヌ映画祭で賞を得ている。
また、リトゥポルノ・ゴーシュ(Rituparno Ghosh,1963-2013/インドの映画監督/公然-Queer)は、全米映画賞の最優秀長編映画賞を受賞する。リトゥは、現在形のベンガル映画を高度な位置付けに導いたが、夭折(心臓発作)だった。
彼らは、*アートハウス系映画の感性を引き継いでいたのだ。
Memories of Rituparno Ghosh | Compilation of the Best Moments | SVF


本来は、国が映画産業の方向性を決めるものではない。そして、テレビの時代(80年代≒インドの全域)から、現在の、誰でも容易に撮録できる時代を迎え流ことになる。Net配信がスタンダードな時代だからだ。
ここでは、大型映画館で観る側か、否かと言う問題(インドの中産階級か、それ以外か)では、なくなったと言うことだろう。
そして、マルチプレックス劇場(シネマコンプレックス:同一の施設に複数のスクリーンがある映画館)は、パラレルシネマに、より多くのテイカー(Taker)を得た。
ヒンディー語(連邦公用語)は、インド国内で最も広く話されている言語だが、インド映画のコンテンツ革命を先導しているのは地域の映画産業かも知れない。

・最後に、一例を挙げると「Kumbalangi Nights」

Kumbalangi Nights(Madhu C Narayanan監督/2019)では、主流の映画でよく見られる従来の男らしさの概念を覆す非定型の物語であるのだ。
文化的な固定観念、性別の役割の伝統的な考え、家父長制の態度に挑戦するそのような映画の商業的成功は、一般的ないわゆる大衆文化に、インド映画が進化する証拠とも言われる。
Kumbalangi Nights | Official Trailer | Fahadh Faasil | Soubin Shahir | Shane Nigam | Sreenath Bhasi (Top-画像)

ただ、このところのインドの映画製作者は、映画の検閲当局は、監視、規制する方向性だ、インディーズ映画(独立系)の製作者は、そのコンテンツ戦略の再考が、今後、不可欠な時なのだろう。

(註)*アートハウス系映画:1950年代の初めアメリカにおいて、非ハリウッド映画=芸術映画=ヨーロッパ映画を求める新しい観客のために,アート・ハウス(art house)と呼ばれた、小さな映画館が、ニューヨークなどの年や、大学街に生まれた。その流れを指す。

ランダムになりましたが、パラダイムシフトするインド映画と言う流れの覚書です。

(参考)Arun A.K.Opinion19 October 2021 ArtReview Asia / National Film Development Corporation of India 

#インド映画 #イメージと文化 #インドのオルタナティブシネマ

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