(今日の一枚)Alvin Langdon Coburnは、最初の抽象写真を残した。
Fig.モチーフはEzra Pound (1885-1972、詩人) 手法は、*Vortograph(ヴォルトグラフ)
アルヴィン・ラングダン・コバーンの(Alvin Langdon Coburn)の*Vortograph(ヴォルトグラフ)は、単純なもの、まして、醜い物まで、美を意識させ、不思議な神秘的な世界に導くようだ。
*写真機ヴォルトスコープ(Vortescope)は、ヴォーティシズム (Vorticism/渦巻き派、英国の前衛的な美術運動) の影響を受け、三角形につなぎあわせた3枚の鏡の中へカメラレンズを差し込んで撮影する写真機だ。そして、抽象的な写真作品「ヴォルトグラフ」(Vortograph)を表象した。
Fig.Alvin Langdon Coburn
アルヴィン・ラングダン・コバーン(Alvin Langdon Coburn,1882-1966):アメリカの写真家、後に英国に移住する。
略歴
フォト・セセッションの創立会員として、ピクトリアリスム(pictorialism/乾板時代だ)から、ストレートフォトグラフィの撮影もしたが、そこに移行した訳ではない。
1912年、アメリカから、イギリスに移住した。
1916年以降、コバーンは、エズラ・パウンド(詩人)の影響で、ヴォーティシズムの写真における実践を試みた。そして、神秘主義(mysticism)や神秘思想へ、徐々に移行して行く・・・
1918年、北ウェールズに移住し、1930年頃には、写真界を引退する。その後は、他の道(フリーメイソンや古代宗教儀式、神秘主義の研究等)を選んだようだ。(一枚の写真のコラムですので、この部分は省略します)
1966年、北ウェールズで死去、84歳だった。
(註)*ヴォーティシズム(Vorticism)は、1913年、詩人のパウンドによって、名付けられた英国の前衛的な美術運動だ。1914年に機関誌 Blastを創刊した。グループ自体は、1915年の第2号の刊行とロンドンのドレ・ギャラリーでの展覧会ののち解散した。ただ、写真家コバーンは、詩人パウンドに、新たな抽象写真でのヴォーティシズムの可能性を与えたのかも知れない、ただ、それは、グローバルに考えても、最初の抽象写真として評価も得ている。
*Vortograph (ヴォルトグラフ):3枚の鏡をはめこんだ機材ヴォルトスコープ(Vortescope)を用いて撮られたコバーンの特殊な写真は、ヴォーティシズムの詩人パウンドによって、Vortographと呼ばれた。
このVortographは、上記したが最初の抽象写真と言われる、ただ、この流れあたりから、コバーンは方向性は、フォト・セセッションでのアートを目指した「写真での表象」から、外れた方向性になった。創始者は、異端者であるのだが、ズレ(写真芸術から)てしまう事もあるのだろう。
(追記)フォト・セセッションは、芸術としての「写真」の位置づけを目指した運動であつた、そして、それは、ブレながら試行錯誤している、その時代のメンバーを追うことは、ある意味、表象とそれに関わる人のあり方の部分も見えてくるように感じるのだが・・・・・もう少し、当時の写真を目指した作家をランダムな駄文になりますがコラムに致します。