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ZuoMa:消えゆくチャイナの思い出(CATBOYから)
消えゆくチャイナの思い出(CATBOYから)
それは、オルタナティヴ・コミック(alternative comic/1960-70年代アンダーグラウンド・コミック運動の流れ)のシーンを垣間見る。
ZuoMa(ズオマ/ZuoJian,1983- /中国生まれの漫画家・イラストレーター・現代アーティスト)
「これらの物語のすべては過去のものであり、現在はなくなっています。それらのいくつかは、田舎の私の祖父母の家のように、かつては、ごく普通で取るに足らないものでした。
私の人生を通して、私は、その場所について申し上げることは、もう、たくさんあるとは思っていませんでした。そこに戻ることができなくなった時だけ、私の思い出は貴重になりました」-ZuoMa
それは・・
ZuoMaは「Night Bus」の追記に、ドローン&クオーターリー(Drawn & Quarterly:ブルックリン-NY)から翻訳で出版される作品に記載されている。- THE NEW YORKER
ZuoMa(ズオマ/アーティストのZou Jianのペンネーム)は、中国で活動するインディーズ系の漫画家で、小さいながらも活気のあるコミックは、アート系コミュニティでの永続的な存在だろう。
by ZuoMa
現在のウェブコミックがメインになる世界で、ZuoMaは、ペーパーに印刷された世界(紙媒体)に、ある意味、固着しているのかも知れない。それは、ZuoMaの描く、世界は、Webマガジンより、印刷された黒の線画にバランスを感じるからだ。
それは、ショートスパンの物語を画像(イメージ)で描かれる、そこには、そのグラフィックスタイル、シュールレアリスムは、紙媒体だから、読み手の中に、何だかしら、想起させるのだろう。
それは、ZuoMaのストーリーテリング(storytelling)手法なのかも知れない。
そして、その作品を俯瞰すると、見えるのは、オルタナティヴ・コミック(alternative comic/アンダーグラウンド・コミック運動の流れ)だ。
そこには、つげ義春(1937- /日本の漫画家-劇画・随筆家)や辰巳ヨシヒロ(1935-2015/日本の漫画家-劇画)などの日本の巨匠からインスピレーションを得ているようだ。
また、例えば、昆虫や、非常に詳細な風景描写のZuoMaの魅力は、スタジオジブリの宮崎駿(1941- /アニメ監督)などの一連のアニメーターの作品を想起させる。
チャイナの田舎での、ZuoMaの子供の頃の思い出、特に祖母との関係を探求しており、また、そこの風景は、工業化によってもたらされた劇的な変化を追跡している。作品の多くは、チャイナの経済に伴う、非常に活発な雰囲気からの脱臼と不満の感覚に取り組もうとする、半自伝的な漫画を描く、そして、不適応な孤独な魂を特徴としている・・・
ただ、その解釈の範囲は、ZuoMaの祖国だけではなく、現代社会、また、アジア圏を見ている様相を感じるのだ。この先、2021年以降の作品が楽しみな作家だ。
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