(今日のART)Two Mountains- ヘレン・ランドバーグ最後の絵画
Two Mountains- ヘレン・ランドバーグ
ヘレン・ランドバーグ(Helen Lundeberg,1908–1999/アメリカの画家)
”Two Mountains”
by Helen Lundeberg-1990
Acrylic on canvas / 88.9 × 127 cm
女性画家ヘレン・ランドバーグの最後の作品と言われる。(既知において)
シンプルにして、いつまでも、自然の豊かさが伝わる絵画だ。
彼女の作品は、多くの変遷を経て、この気負いのなく荘厳な大自然に至っているのだろう・・あの1936年に描かれたアイリスのバックにある世界だ。だた、あのアイリスには、パサデナのコンクリート・コロラド・ストリートブリッジ(1912年-R66の橋梁だが、自殺の多い橋とも)も、意味付けされて、描かれていたが、この最後の作品は、分類的には、ハードエッジになるだろうけれど、気負いなく、余計な表象が削ぎ落とされていて、実に静かで、シンプルだ。
アートワークの視点から、ヘレン・ランドバーグの芸術的なスタイルは彼女のキャリアの過程で変化し、社会的リアリズムと*主観的古典主義、そして、ポストシュルレアリスム(主観的古典主義のキーワード)、ハードエッジ絵画(色彩領域間でハードな変化)、様々に解釈されてきた。 (註)*主観的古典主義:体系化された理論に拠らず、主観や印象を重視するスタイル/また、ジル・ドゥルーズと生成変化の理論
ヘレン・ランドバーグの絵画は、誰にでも、読み取りやすい画風(物語性)に配置された「認識可能な記号」を通して、作品への合理的な理解を深めるように視聴者を誘う工夫が、所々に見えるのだ。