スタン・ダグラスのアートワーク
スタン・ダグラスのアートワーク
スタン・ダグラス(Stan Douglas,1960- /カナダのアーティスト-写真・映像・インスタレーション)
スタン・ダグラスの映画とビデオのインスタレーション、写真、テレビでの作品は、モダニズムと時代遅れの技術 の「失敗したユートピア」をリサーチしながら、文学、映画、音楽の歴史に頻繁に触れる、いわゆる*メタフィクションだ・・・・
過去の時代からの「事象や、そのメディア」を再構成されたモンタージュ構成(写真・映像・スタジオ)で、その事象(メディア)を新たな文脈で顧みる、その結果は、観る側は、従来形にない多様性に満ちた表象を感じられるだろう・・・
(註)*メタフィクション(Metafiction):とは、フィクションについてのフィクション、また、それは、高次の次元からの観点でもある。
Exhibition ― Stan Douglas: Mise en scène
スタン・ダグラスの作品は
ダグラスの作品はマスメディアの技術的および社会的側面を反映しており、1980 年代後半以降はサミュエル・ベケット(Samuel Beckett,1906 – 1989 /アイルランドの小説家、劇作家、短編小説作家、演劇監督、詩人)の作品に影響を受けている。
理論的概念としてのモダニズム(Modernism /19 世紀後半から 20 世紀初頭に西洋社会の変化から生じた、哲学と芸術の両方の運動)と、第二次世界大戦以降の北米の都市計画に影響を与えてきたモダニティ(現代性/ルネサンスの後に発生した、社会文化的規範、態度、実践の集合体)の両方が懸念される。
過去の出来事の償還-Stan Douglas
「失敗したユートピア」と「時代遅れのもの」に対する彼の関心は、「これらの過去の出来事の償還(しょうかん/ つぐない返す)について、ではなく、それらを再考する方法を解いて、なぜこれらのユートピアの瞬間が実現しなかったのか、より大きな力が局所的な瞬間を維持したのかを理解することで、ちょっとした瞬間を考えると、「そこで価値があったものは、今日でも役立つかもしれません。」-Stan Douglas
略歴とアートワーク-Stan Douglas
スタン・ダグラスは 1960 年にバンクーバーで生まれ、居住する。(カナダのブリティッシュ・コロンビア州)
そして、バンクーバーのエミリー・カー芸術デザイン大学(Emily Carr University)で教育を受けた。
繰り返すが・・
スタン・ダグラスは、地元の歴史を闘争とユートピアの願望のより広い社会運動に結び付ける歴史的な緊張の瞬間を再現している。
このアーティストの複雑な作品では、時間と場所が折り返されて、ビジョンと物語の両方のパララックス(視差効果)が作成される。
歴史と地理の複数の瞬間が視聴者によって同時に経験され、新しい物語に展開される。
ドクメンタIX (1992 年)、ドクメンタ X (1997 年)、ドクメンタ XI (2002 年)、1990 年、2001 年、2005 年、2019 年のベニス・ビエンナーレなど、多くの国際的に展示を行ってきた。
2016年、ハッセルブラッド賞。
Biennale Arte 2019 - Stan Douglas
スタン・ダグラスは、2021 年ベニス・ビエンナーレのカナダ代表に選ばれた。
フリードリッヒ・クリスチャン・フリック(Friedrich Christian Flick,1944- /アートコレクター/弁護士 )は、スタン・ダグラスの モノグラフの序文で、ダグラスを次のように説明している。「マルクス(Karl Marx)とジークムント・フロイト(Sigmund Freud)は、カナダ人アーティストの奇妙な*モンタージュに出没します。」
(註) *モンタージュ:映画技法で、複数の映像の断片を組み合わせてひとつの連続したシーンを作る方法
次回からも、ランダムになりますが、スタン・ダグラスのフォトワークを数点、個別にコラムにして参ります。
お時間の許す折に・・・
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