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#2)Barnett Newman- その晩年と作品
バーネット・ニューマン(Barnett Newman,1905-1970,US)
Barnett Newmanhaは、メジャーに扱われる事はなく晩年近くの1960年代になって初めて、作品は評価された。ただ、その全ての時期を通しての全体像が、「Barnett Newman」だ。それは、先駆者の苦難だろう・・
「その(作品の)含意の1つは自由の主張です...もしそれが適切に読み解ければ(理解)、それはすべての国家資本主義と全体主義の終わりを意味する。」晩年に、それまでの仕事を振り返ってのBarnett Newmanの宣言を述べた。-MoMA
1948年以降、「ワンメント」(Onement)シリーズは著名だ。
「The Wild」MoMAは、「zip(垂直線)」それ自体が作品となっているが、バーネット・ニューマンの生涯を通して、それは主題だった。
バーネット・ニューマンの、この頃までの多くの作品は、絵画作品の多くは無題であった。
Fig.The Wild -MoMA
Fig.Onement
1950年ごろから、制作された絵画では、「アブラハ-Abraham」(1949年)、「イヴ-Eve」(1950)、「アダム-Adam 」(1951~52)、「ウリエル-Uriel」(1955)など、これらには、ユダヤ的主題を示唆している。
Fig.Abraham
病(循環器)を患った後、モノトーンの連作絵画「The Stations of the Cross」シリーズ(1958~66)を発表。
その病の後、バーネット・ニューマンが復活した1960年代になって初めて、作品は評価されるのだが、前述したが、その全ての活動期間を通しての全体像が、「Barnett Newman」だろう。
そのモノトーンの連作絵画「The Stations of the Cross」シリーズ(1958~66)は・・
タイトルは、「Lema sabachthani - なぜ我を見捨て給う」だ。マタイ27:27~51(新約聖書では、イエスが十字架上で語った最後の7つの言葉の1つだ)
折しも、2020年4月12日は、イースター(復活祭)だった。
この辺りのコメントは要らないだろう、作品をご覧いただきたい。
Fig.The Stations of the Cross
晩年の作品は「誰が赤、黄、青を恐れるのか(Who's Afraid of Red, Yellow and Blue)」シリーズ、
「アンナの光-Anna's light」(7.1×2.3m-1968)など、アクリル絵具を使用した鮮やかな色を巨大なキャンバスの上に用いる作品を多く制作。
「ブロークン・オベリス-Broken Obelisk」(1963~69)-彫刻作品も手がけている。(ピラミッドの頂点にオベリスクを逆さに立てたような表象)
1970年、ニューヨークで死去(循環器)。
Fig.Anna's light / Broken Obelisk
当時(1960年代後半)、バーネット・ニューマンの言う、いわゆる全体主義は強権的(アメリカは、ベトナム戦争時代)であり、その対面に民主主義があった、そう言う時代だった。
晩年のバーネット・ニューマンのロジックは、当時のアメリカの民度の問題だったかも知れない。
(註)*表現主義美術(Expressionism):1900年代前半にドイツを中心に興った美術。
画家自身の心の内部の世界を表現する、それまでの美術(外部の世界の印象を描く)とは大きく異なる。
分かりやすくは、例えば、エドヴァルド・ムンクの「叫び」は、不安、恐怖を追求している。
バーネット・ニューマンは、ナチズムや原爆などの現代の恐怖に対する強い認識があったと言われる。
いわゆる写実性を重視せず、心的感情をモチーフに託して描写する。広義では、抽象表現主義も含まれる。
それは、19世紀後半から、欧州の印象派(Impressionism -物事の外見的特徴を強調して描写する)とは対照的だ。
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