画家ハンス・ホフマンと美術教育 (抽象表現主義)
ハンス・ホフマン(Hans Hofmann, 1880- 1966):画家(抽象表現主義)、美術教育者。
優れた画家たちを世に送り出した20世紀で最も影響力のある美術教育者。
ドイツ(ヴァイセンベルク)生まれで、アメリカとドイツで活動した抽象表現主義(Abstract expressionism)の画家。
Fig.Hans Hofmann School of Fine Arts
1904年、パリに移り、芸術のキャリアを追求する、その画業は、マティスの色彩とキュビスムの形態の影響されており、作品は、キュビスム系の抽象性を感じる。
1915年、ハンス・ホフマン美術学校 (Hans Hofmann Schule für Bildende Kunst-ミュンヘン)を開校し、美術教育をはじめた。
1933年、ハンス・ホフマン美術学校 (Hans Hofmann School of Fine Arts-ニューヨーク)を開校した。
そして、アメリカにおける美術教育に尽くした。
ハンス・ホフマンの表象は、カラフルな長方形で画面が構成されている幾何学的な形態や、そして、不定形な要素からなる。
(c)Hans Hofmann
そのハンス・ホフマンは、画家としての業績も評価されるが・・・
アメリカでの美術教育は、欧州の近代絵画理論を正確に取り入れ、またそれを応用し、ただ、欧州の美術ロジックの移行ではなく、アメリカ独自のモダンアート、そして、抽象表現主義の確立に寄与したことが大きな評価だ。その抽象表現主義のロジックは、ニューヨークが、それまでのパリに代わって芸術の中心地となる動機づけとなった。この部分は非常に大きい。
晩年の一端だが、、
1960年、ホフマンの作品はヴェネツィア・ビエンナーレ(イタリア)で取り上げられた。
1963年、「ハンス・ホフマンと彼の学生」をMoMA(ニューヨーク近代美術館)が展示
1966年、ニューヨークで亡くなる。
そして、現在、ハンス・ホフマンの作品は、シカゴ美術館、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)、ペギー・グッゲンハイム・コレクション (Peggy Guggenheim Collectio-ヴェネツィア)、テートギャラリー(ロンドン)、ワシントンDC国立美術館のコレクション等々に、グローバルに収蔵されている。
Fig.ハンス・ホフマンの亡き後も、その理念は、後継者に引き継がれて、多様に展開されている、その流れは確かだ。画学生の眼差しが語ってる。
(註)抽象表現主義(Abstract expressionism):1940年代後半のアメリカ合衆国で起こり、世界的に注目された美術の動向である。
かんたんにまとめると、具体的には、
1)巨大なキャンバス。
2)その画面には中心がなく、均一(All over)な平面だ。
3)キャンバスは、作家の描画行為の場所(フィールド)という視点で、制作プロセスを重視した。