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モーリス・ルイス・バーンスタインと、カラー・フィールド・ペインティング
モーリス・ルイス・バーンスタイン:カラー・フィールド・ペインティング
モーリス・ルイス・バーンスタイン(Morris Louis Bernstein)
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モーリス・ルイス・バーンスタイン(Morris Louis Bernstein、1912 - 1962/アメリカ合衆国の画家)
モーリス・ルイスは、1912年にアメリカの首都ワシントンD.C.に程近い港町ボルチモアに生まれた。
地元の美術学校を卒業後、一時はニューヨークで活動したが、31歳で地元に戻ってからは、主にワシントンD.C.を制作の拠点としてきた。絵画講師のかたわら、自宅の小さなダイニングルームをアトリエとし、妻が仕事で外出している時間を、ひとり黙々と絵画制作に費やした。
モーリス・ルイスは、淡々と独自のスタイルを摸索した
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抽象表現主義の同時代の画家が活躍するニューヨークとはあえて距離を置き
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物静かで内向的、しかし創作に対する熱意を人一倍秘めていたルイスは、ポロックやマーク・ロスコら抽象表現主義の同時代の画家が活躍するニューヨークとはあえて距離を置き、淡々と独自のスタイルを摸索した。そんなモーリス・ルイスが、その後の美術の流れを変えることとなる画期的な作品を描き始めたのは1954年、41歳の時だった。
それらは人の背丈をはるかに超える大きなカンヴァスに、薄めた絵具を幾層にも流し重ねた抽象画でした。まるで美しい染物のように、絵具がカンヴァスに染み込んで一体化し、完全に平面的な画面が生まれた。
その後、モーリス・ルイスのコンテンツは1962年に亡くなるまで染みの形や色の配列を違え、この手法を探求し続けました。
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モーリス・ルイス カタログレゾネ 油彩画 全作品集Morris Louis: The Complete Paintings a Catalogue Raisonne 1985 Abrams
モーリス・ルイスとケネス・ノーランド
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カラー・フィールド・ペインティング
モーリス・ルイスは、ケネス・ノーランド(Kenneth Noland、1924 - 2010/アメリカの抽象表現主義の画家)とともにカラー・フィールド・ペインティング(色面による場=フィールドの絵画)の画家と呼ばれた。コンテンツは、カンヴァスの上に流動性のあるアクリル絵具を垂れ流して、絵具をカンヴァスの地に染み込ませるステイニングと呼ばれる手法で制作されている。
私たちがこの作品を見るとき、第一にそこに感得されるイメージが色彩によって構成されたものであり、第二に見ている対象がカンヴァスの地そのものであり、結果としてカンヴァスの平面と同一の場に画面が存在しているという状況が保証される事だろう。
この事実が積極的に称賛された背景には、当時、ヨーロッパで築き上げられた西洋絵画の伝統から「絵画」を解放し、アメリカ独自の新しい様式を打ち立てようとしたモダニズム絵画の運動があった。
つまり伝統的な絵画では、画面はカンヴァスの面から遊離して、幻影としての奥行き等を持った何か実体のない空間に構築されていた、ということが問題視され、それに対しカンヴァスの物理的な特性に従い、画面の「平面性」を厳格に確保することが称揚(価値の認識)されたのである。
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これら作品はルイスの作品展開においては「ヴェール(幕)」シリーズに分類される1点で赤、青、緑、黄、オレンジの絵具を流し込んだのち、全体に淡い褐色がかけられて統一感を得ている。また、タイトルの「ダレット・サフ」はヘブライ語のアルファベットを2つ並べたもので、ルイスの死後、作品集の刊行に際してつけられたものである。
最後に、
美術史は、後から体系づけられ語られるが、ラー・フィールド・ペインティング(色面による場=フィールドの絵画)を抽象の深さは、察しても察しきれない世界が、そこには存在する。
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