今日の経済11/19 ヤフーとLINE統合、GAFAが持っていない武器を持つ


11/19日付 日経新聞より

ヤフーとLINEが統合を発表しましたが、その際の経営統合発表資料の比較データにより、GAFA(アップルは掲載されてません)やアリババがいかに巨大な存在なのか、あらためて話題になりました。ちなみにこの資料はファイナンスの世界では「Comps」という同業他社比較の考え方で、投資をする際にもよく使われます。

今回の統合の狙いを思い浮かぶだけ上げていくと、まずはPayPay(ペイペイ)の国内支配が決定的になったことと、LINE経済圏拡大にあります。メッセンジャーアプリの世界はその地域で1番にならないと生き残れない熾烈な世界です。LINEは現在、日本の他に台湾とタイでシェアを独占していますが、それでもマーケット人口は約2億人に過ぎません。インドネシア(約2億人)のシェア拡大に失敗したLINEは今後の成長戦略を考える上で、国内ではヤフーと手を組むことがベストな選択だったはずです。なぜなら、ヤフーの親会社であるソフトバンクは通信キャリアを持っており、ヤフー側にとってもメッセンジャーアプリの獲得は願ってもないチャンスだからです。つまり携帯キャリアとメッセンジャーアプリの統合は歴史的なインパクトと成り得るのです。そしてGAFAは米国の独占禁止法によって通信キャリアを持つことが出来ないため、通信キャリアとメッセンジャーアプリの統合が不可能です。そこに僅かなチャンスがあるのではないでしょうか。

今後のヤフーとLINEの戦略としては、台湾、タイの通信キャリアの買収に動くはずです。もし成功すれば時価総額が何倍にも拡大し、その資金を持ってGAFAの息がかかっていない地域を独占しに動くでしょう。今回の統合は世界を席巻するGAFAに対して日本企業がジャイアントキリングを起こすかもしれない、そんな期待感があるのです。ヤフーとLINEの躍進なるか、今後もワクワクする展開が続きそうです。


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