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2024年11月のお礼と振り返り、雑談
※土曜日の『幻影堂書店にて』は、日曜に代替します。
皆様、こんばんは、そして、こんにちは。ミックです。
11月はようやく冬らしくなってきた月でしたね。皆様いかがお過ごしでしたでしょうか。
改めまして、今月もありがとうございました。月末ということで、今月に書いた記事の簡単なピックアップでの振り返りと雑談をしたいと思います。
ピックアップ
11月で最もスキが多かったのは、なんとアントニオーニの映画についての記事でした。
前衛的な映画作家だけに、これはびっくり。投稿した直後から、結構好評だなという感触はあったのですが、ここまでとは。アラン・ドロンの麗しい姿も大きかったのか。
あと思ったのは、難解な作品を、訳が分からないと投げ出すのではなく、それがなぜ難解でしかも美しいか、を知りたいと思っている方が、結構いらっしゃるのかなということ。
実際私は、そうした美しさを解きほぐしてくれる文章に沢山出会って、生きてこれたと思っています。私が書くことで、少しでもそんな思いを感じていただけたら、それに勝る喜びはありません。
西脇順三郎の詩について前々から書きたいなと思っていたので、書けて満足。いくつか個人のマガジンに入れていただいたり、直接感想のお声をかけていただいたりして嬉しかったです。
この投稿の他にも、お気に入りとしてマガジンに入れていただいたり、記事で取り上げていただいたりした投稿が今月も複数ありました。ご迷惑がかからないよう、お名前は挙げませんが、全部読みに行っていますし、嬉しいです。本当にありがとうございます。
『幻影堂書店にて』で今月一番書いてて楽しかったのはこの作品。タイトルをまず思いついて、芥川の『舞踏会』をずらして書くというパスティッシュを一気に書いた感じです。『幻影堂』は、謎を少しずつ解きつつ、続けていきたいなあと思っている所存。
スナップショット一言裏話
以前は少しヨーロッパのサッカーを見ていたこともあったのですが、ここ十五年くらいは観戦を含むスポーツ関連に全く触れていないので思いついた作品。スポーツが盛んであることは、とても良いことだと思っています。
幼馴染だけど恋愛とは違う関係とは何だろうなと思って書いた作品。『幻影堂』とも少し繋げられて、夢と成長の幻滅が交じっているのが気に入っています。あと、この作品だけ異様にアクセス数が多かったのは、何か理由があるのでしょうか。。。
架空の中世シリーズ。ケンタウロスという神話上の存在について書きたいと思いついて、中世と繋げたものです。
何かの組織を率いるという主題は現代に生きることにも通じているのではないかと。中世シリーズも増えてきて、段々と地図が埋まる感じになってきて楽しいです。
映画とかに出てくる神父さんや告解のシーンが好きです。それと、何かを隠して生きること、母性愛についても絡められたことに満足しています。麻酔というのは使い方次第だということですね。
雑談
最近朝食を変えました。元々あまり朝は食べずにいたのですが、ここ何年かは卵と玄米フレーク(牛乳あり)は食べるようにしていました。タンパク質をとって、糖質は抑えるように、みたいな感覚で。
それで、最近チョコ入りのグラノーラに変えたところ、朝食自体を摂るのが楽しくなりました。甘味を感じるということはこんなに意欲を変えるのだなあと。
川北稔の『イギリス 繁栄のあとさき』に、イギリスの19世紀の近代化には、都市労働者にとって、砂糖入りの紅茶が欠かせなかったと書いてあります。
彼らには、自前のパンを焼くカマドはおろか、安上がりな燃料も得られなかったのであった。
(中略)
カフェインを含む紅茶と高カロリーの砂糖・ジャム・糖蜜の組合せは、工業化時代の厳しい労働規律を守らせるにも最適の朝食となった。冷たいパンを一瞬にして「温かい食事」に変え、朝から労働意欲をかきたてる砂糖入り紅茶がなければ、イギリスの工業化や都市化は困難だったかもしれないのである。
川北氏は岩波ジュニア新書の有名な『砂糖の世界史』も書いていて、ウォーラーステインのいわゆる「世界システム」の立場から、各時代の民衆の生活を辿り、世界が変わっていく様を見つめる歴史学を描いています。
19世紀イギリスの労働者でなくても、甘い朝食(一応ロカボですが)に変えたことで、こんな記述が、妙に生々しく理解出来たりしました。そして、その背後にある人の営みの歴史も、理屈でなく感覚で理解出来たような。
学問、詩情、芸術やエンタメの作品というのは、こうしたちょっとした感覚の共鳴によって、人に伝わるのだなと。私も文章を書くことで、そんな共鳴をつなげていけたらいいなと思っています。
今月もありがとうございました。来月もよろしくお願いします。
今回はここまで。
お読みいただきありがとうございます。
今日も明日も
読んでくださった皆さんにとって
善い一日でありますように。
次回のエッセイや作品で
またお会いしましょう。
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