SalesForce(CRM)25’2Q決算短信 11年間務めた現CFO Amy Weaver氏が退任を発表しました。彼女の功績は大変大きい様で11年もの間顧問弁護士に始まり、CFOに昇格後財務改革の陣頭指揮を執り、前例のない利益率の拡大、オペレーショナル・エクセレンスの向上、財務規律、継続的な戦略的投資を実現しました。大変惜しまれる存在ではありますが、彼女は5人目のCFOのようで後任が決まるまでは在任されるようです。

画像1 生成AIを活用したソフトウェア企業で収益化に一番近いと言われたSalesForce。事業規模と自社インフラの差でServiceNowに一歩引けを取ってしまった印象もありますが、マーケティングオートメーションや営業支援の分野では決して引けを取らないと思います。Salesforce Marketing CloudやSales Cloudは多岐に渡るセクター企業で採用されているソリューションでマーケティングやセールス部門ソフトウェア企業の筆頭格です。そんなSalesForceの決算内容を見て行きたいと思います。
画像2 25’2Q決算内容:Revenue $9.32B Consensus $9.23B Beat $90M ◎ Y/Y+8.5% EPS nonGAAP $2.56 Consensus $2.36 Beat $0.2 ◎ Y/Y+20.8%。nonGAAP Operating Margin(営業利益率)33.7% Y/Y+2.1% nonGAAP Free Cash Flow $755M Y/Y+2%
画像3 25’3Qガイダンス:Revenue $9.31B~$9.36B Consensus $9.41B Miss $0.1B~$0.05B EPS nonGAAP $2.42~$2.44 Consensus $2.43 〇 25’2Q終了時のサービス未履行残存債務成長率 9% 25’通期ガイダンス:Revenue $37.7B~$38.0B Consensus $37.85B 〇 EPS nonGAAP $10.03~$10.11 Consensus $9.90 ◎
画像4 Salesforce 直近5四半期 主要財務諸表:毎期あまり目立った諸表ではないのですがとにかく堅実なイメージです。営業、マーケティングコスト約29%~30%で推移、研究開発費 約11%~12%で推移。一般管理費 対売上高比約6%~7%で推移、売上原価率の対売上高比約19%~20%で推移と見ていてほれぼれする様な徹底したコスト管理をされておられると思います。
画像5 CEOコメント:あと数週間でDreamforceが開幕します。サンフランシスコで開催される世界最大のAIイベント、 45,000人以上の先駆者が集まります。新しいAgentforceエージェントと、自律型AIという新しい世界のためにエンタープライズ・ソフトウェアをどのように再構築したかをお見せします。もちろん、私たちはすべての顧客接点を自動化しています。私たちはこの驚異的なデータ・クラウドをどのように構築してきたか話してきました。そして、この重要な第3層は、今回初めてお話ししますが、エージェントです。
画像6 CEOコメント続き:Dreamforceのキャンパスに到着すると、外には「人間とエージェントが共に顧客の成功を促進する」という大きな看板が掲げられています。現在、多くの顧客はまだエージェント・フォースを持っていませんが、セールスフォースやサービスフォースを持っています。このAgentforceプラットフォームによって、販売、サービス、マーケティング、商取引のための強力な自律型エージェントを簡単に構築し、ワークフロー全体を自動化することができます。これが、今、私たちが目指していることです。
画像7 CEOコメント続き:OpenTable、Wiley、ADP、RBCなど、多くのお客様がこれらのエージェントを導入し、当社のデータクラウドとアプリの上で運用しています。 エージェントほど変革的なテクノロジーはないと思います、セールスフォースは、世界で最も高品質で正確なエージェントを展開する最初の企業になるでしょう。信頼、カスタマー・サクセス、イノベーションへの継続的な注力に加え、これらが今日の業績を牽引し11年連続でIDC Software TrackerのCRMプロバイダー第1位となりました。
画像8 まとめ:Mark Benioff CEOがしきりに言っているエージェントサービスはSalesForce EinsteinというAIを基盤としたサービスで、単なるツールではなくSalesForce全体の戦略の一部として位置づけられ、企業がAIを活用して顧客との関係を強化しビジネス成果を最大化するための中核的な役割を果たしております。SalesForceが力を入れている大きな理由はAIによるインテリジェンスがビジネスのあらゆる分野で競争力を高める為に不可欠と考えているからです。

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