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静けさには寂しさが伴う。

なぜか不思議な写真が撮れていた

愛犬モネと散歩をしていました。
モネは保護犬で引き取り、推定12歳くらい。しかし動物病院の先生には、もっと歳に見えると言われています。14歳くらいかもしれません。
食欲も落ち、ますます食わず嫌いになりました。散歩もヨタヨタです。
それに加えて、二児の育児もあるので、なかなか散歩にも行けません。

二週間ほど、制作期間のためにモネとの二人暮らしをしてた時には、1日3回は散歩に出かけました。今詰めた制作における息抜きとしてはとても静かな気持ちになるのです。その頃のモネは、少し元気を取り戻していました。
それから展覧会やGWも終わると日常に戻り、再びこうやって、夜も老けた頃にモネも散歩をすることが貴重になってきました。

僕自身もだいぶ疲労し、風邪も続いてましたが、それも少しずつ回復してきました。妻の頑張りには頭が下がります。そして息子(4歳半)もいつもご機嫌だし、娘(5ヶ月)もバタバタ動くようになりました。
今日の夕立は激しく、そして上がった後の木々の甘い香りは、季節の到来を告げています。

しかし、寂しさが漂うのはなぜでしょう。静かな夜、静かな心。その中に、しんとした気持ち。
モネの老いた足取りが愛おしく、道に映る自身の影も、儚く消えてしまいそうです。
静けさの先に、どんどん透明になっていく心。感情を通り過ぎ、母の死を思い、すべてをやり切った後の、ホッとした気持ちを思い出しました。終わったんだ、とホッとしたのです。深く深く、体の芯まで吸い込んだ11月下旬の空気はどこまでも冷たくて。

1人と1匹。寝静まる街を歩き、この寂しさの元を辿ろうとして、諦めました。そっとしとけばいい。

明日は息子の遠足。経験を重ねていく喜び。毎日が新しく、の人生は始まったばかり。それを支えて見守っていく親たちも、残りわずかな人生をどう生きていくのか、真摯に考えていかねばなりませんね。
もう、死ぬんだよって。モネも、僕も。わかりきったことじゃないか。だから、あなたはどう生きたいの。

「だが、情熱はある」

青春を生きたあの主人公たちのように、絵を描くことに情熱はあるのかい。よくよく心をのぞいてみたら、すでに消えかけたろうそくの火を、両手でかろうじて囲っているかのようだ。
しんとした気持ち。何もない。
ただ、世界が美しいことだけはわかる。

この寂しさが消えていくまで、心の声を静かに聞いている夜です。
ここだけは本当のことを書こう。他で飛び交っている無数の言葉ことは、今はどうだっていいじゃないか。

(おしまい)

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画家・ペーの日記
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