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ひどい悪夢
悪夢が続く。
母と妹と3人で車に乗っていた。運転は母、助手席に妹、後部座席に僕だ。
母は居眠り運転をし出した。やばいなと思ってその度に起こすが、もうクビがグラングランして、目がどこか違う世界に行ってしまっている。「やばい!お母さん!起きてよ!」と叫んで在らん限りに首を揺らすが、全く正気に戻らない。代わりに運転するにも後部座席が邪魔をする。
ついに森に入り、崖が目前に迫った。「お母さん!起きて!ああもうだめだ!!」叫ぶ二人。そのまま崖へ突っ込む。
無重力、体が浮く。一瞬で覚悟する。どぶん!と沼のようなところに突っ込む。夜、真っ暗で、田園の中。ズブズブと車体は沈んでいく。
僕は必死にもがいて車体を蹴り、浮かび上がる。大丈夫だ!生きてる。動ける。そのまま浮かび、泥炭の沼を掻き分けて岸へと向かおうとする。
ふと、母と妹は?と振り返る。もはや誰もいない。あっという間に沈んでしまったのか。このまま二人を残していいのか、どうするんだ!?
あああー!!と叫んで目が覚める。夜中の4:00。息子がひどく咳き込んでいる。日中は元気なのに、昨日から咳き込むことが多くなった。急いで咳止めを準備し、枕元に角度をつけて、加湿器をつけ、ヴィボラップ軟膏を足裏にぬる。
しばらくして寝息が静かになる。僕は安心して、耳栓をして再び眠りにつく。
また夢をみる。ブライダルの先輩の女性とランチをしている。そこで、こんな酷い夢をみたんですよ、と、車が沼に突っ込む話をする。女性は「それは酷い悪夢だ」と苦笑いする。
7:00。目が覚める、家族が起きてきた。さっき見た悪夢を、また夢で語っていた。もう、意味がわからなくなってきた。
これは睡眠障害なんだろうか。家族は一度見てもらった方がいいというので、来週診察を予約しようかと思う。
理由は明らかだ。展覧会の開催が残り1ヶ月を切った。その焦りがある。あの車は「時間」と考えられる。誰しも平等な時間は、人により速度は変わるだろう。
そして、ドライバーは自分自身で早く母親だった。母親は生来、天然系の人で、酒を飲みすぎて、よく風呂で浮いているような人だった。だから予測できない存在だ。つまりこれは「子育てや家族」とも捉えられる。自分の時間は、常に子育てのドライバーに委ねられている。これがトリッキーな存在ならば、全く思うようにはいかない。
そうして道を逸れ、崖から落ち、真っ暗な沼に沈む。夢は自分自身の潜在意識の兆しとするならば、僕はこの先の人生を、このような末路に感じているのだろう。人によってはパラダイスの南国にたどり着く人もいるだろうし、孤独な旅に出る人もいる。向き合い方はその人自身次第だ。
救いがあるならば、僕は「生きていた」ということだ。沼から這い上がって泳いでいた。『自分自身の無意識で作りあげた地獄絵図』の中で、それでも意思の力で前に進もうとしていた。
夢を理解し現実で生かすならば、
受け取り方を「変えること」。あの車のスピードだって、ドライバーだって、道ゆく先だって、必ず変えられるはずだ。
焦るな。
今に集中して、できることを確実にしていくのだ。千里の道も一歩からとは、老子の言葉。
全く絵が描けない。それでも、今日しかやれないことをやれた。子供たちも少しずつ回復してきた。咳のひどい二人の子供も、彼らの体力を信じよう。
自分の道は、自分で切り開く。どんな悪夢にも負けない。めげない。
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![画家・ペーの日記](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70996446/profile_50e011bab77cdf662162f8f414246aaa.png?width=600&crop=1:1,smart)