展覧会まであと35日。制作日記。
この2日で、50号2枚の連作を描いている。今日仕上がる予定。
タイトルは「アラヤシキとハチドリ」
阿頼耶識の世界、人生の始まりに立つ少年が見上げる先には、1羽の小さなハチドリ。
「ハチドリのしずく」という物語で、森が火事になった時、懸命に雫を火に焚べるハチドリの姿がありました。
私は私のできることをするだけ。
南米エクアドルの物語。
阿頼耶識というのは、無意識の1番深い部分にある「蔵」と言われ、そこに、先祖代々から行ってきた業が全て保管されていると言われます。そして、自分自身が選択してきた、すべての行動や心の動きが。
ティクナットハン禅師は、それを大きな畑と捉え、自分の無意識の畑にはいろんな種があり、花が咲く。
自分の中のさまざまな種に気づき、どんな花が咲いているのか観察する必要がある。
毒にまみれた花には、日当たりや水やりをこまめにして、真っ直ぐに育てよう、と言われます。
手入れが大切な、阿頼耶識。
それには、日々の小さな行動をしっかりと意識的に選択することが大切です。
少年は、多くの種を受け継ぎ、蒔いていく可能性に満ちてます。それは光もあれば影もある種です。先祖代々の課題から翻弄されることもあるでしょうし、人生の新しい出会いや感動から、慈愛に満ちた花を咲かせることもあるでしょう。
阿頼耶識の畑の空の上、小さく懸命にはばたくハチドリから学ぶのかもしれませんね。
・・・
あと1ヶ月あまり。育児に休みはなく、大変過ぎて感情が乱れることもありますが、それでも描いていくしかありません。
私は私のできることをするだけ。。
その姿勢を阻むいろんな思考や感情。
どうせもう無理だ、という諦め。
なぜ描けないんだ、という怒り。
責任に応えなければ、という焦り。
集中する時間がない、という嘆き。
これらの雨や嵐に、種はどんどん目を伸ばし、心に巻き付いてくる。身動きが取れなくなる。
僕が、生まれてからこれまでの人生で選んできた選択。
諦め、怒り、焦り、嘆き。
そのようなテーマで沢山の絵を描いてきました。
絵で表せば、それらの花は、また別の顔を見せてくれました。
静かにこちらを見ている眼差しを持った人物画群像。
観ている方の無意識の感情に共鳴し、受け入れられるような感覚を持たれることもあるようです。
また、人生の喜び、安らかさ、穏やかさや静けさの種から育った花もあります。それらも、僕の選んできた人生の選択であり、沢山のご先祖が大切にしてきたことなのでしょう。
同じ畑に、さまざまな種。
それらを愛を持って、そのままに描けることができたら。
もう一度、今日という日に集中しよう。私にできることは絵を描くこと。さぁ、筆を握って。
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