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#16 表現の自己一致と心理学の自己一致との関係性

こんにちは〜!
アーティスト専門メンタルコーチのKAMIKENです😊
今回は自己一致した表現について、心理学の視点てから少し見ていきたいと思います。

アメリカの臨床心理学者であるカール・ロジャースの提唱した「一致性(Congruence)」は、人間の心理的成長と健全な自己表現の基盤となる重要な概念。この一致性は、自己一致した表現に直結するものであり、特に芸術的なパフォーマンスや自己表現において重要な役割を果たします。以下にその関係性を解説します。


カール・ロジャースの「一致性」について

一致性とは
一致性は、人の内面的な感情や思考、そして外面的な言動が矛盾なく調和している状態を指します。ロジャースは、心理療法においてセラピストが一致性を保つことで、クライアントが安心して自己を探求できると説きました。
自己と体験の統合
一致している人は、外部からの期待や評価に振り回されず、自分の感覚や価値観に基づいて行動します。この内面と外面の統一感が精神的な安定と成長をもたらします。


自己一致した表現との関係

自己一致した表現とは
自己一致した表現は、ロジャースの一致性の概念を、アートやパフォーマンスの領域に応用したものといえます。これは、自分自身の本当の感情や価値観、経験を、周囲の期待や外的な評価にとらわれずに表現することを指します。
「真の感情」が声や表現に現れる
自己一致した表現では、内面に湧き上がる感情がそのまま表現に反映されます。この状態では、「感情を込める」努力をしなくても、感情が自然に「溢れる」形で表現に乗るため、説得力が増します。
内面の誠実さが表現の魅力に繋がる
ロジャースの一致性では、自己との調和が他者との信頼関係を育む鍵となるとされます。同様に、自己一致した表現では、自分の誠実な感情が聴衆や観客に伝わり、共感を生み出します。これは、ただ技術的に優れたパフォーマンス以上に、人の心を動かす要素です。

具体例:歌唱やパフォーマンスにおける一致性
1. 内面の感情と表現の調和
感情に逆らわず、自分の感じていることをそのまま声や表情に反映させることで、パフォーマンスに説得力が生まれます。
2. 外部評価とのバランス
他者からの評価や期待を完全に無視するわけではなく、自分の価値観を軸に、それらを受け入れつつも自分の表現を守る姿勢が重要です。自他の共有ゾーンを見つけるとよいでしょう!
3. 自己探求を続けるプロセス
表現者は常に「自分にとっての真実」を探求し、自己の内面を深く理解することで、一致性の高い表現を行えるようになります。流行り廃りの表現に振り回されないこと。一時期EXILEのATSUSHIの表現を真似てる人が沢山いました。私からしたらつまらなくて仕方ないです。


ロジャースの一致性がもたらす影響

1. 自己受容の促進
自分の感情や思考を否定せず、そのまま受け入れることで、自己表現がより自由になります。
2. 他者との共感的な関係の構築
自己一致した表現は、他者との深いつながりを生む力があります。ロジャースは共感(Empathy)を重視しましたが、自己一致した表現はその共感を促進します。
3. 自己実現への道
一致性を保ちながら表現を続けることで、ロジャースが言う「自己実現(Self-Actualization)」に近づくことができます。これは、表現者が「自分のあるがまま」を実現する状態です。


まとめ

カール・ロジャースの「一致性」は、自己一致した表現における内面と外面の調和に深い影響を与えています。感情や経験をありのまま受け入れ、それを自然に表現に乗せることが、真に心を動かす表現を生む鍵です。このプロセスを意識しながら自己と向き合い、表現の質を高めていくことが、表現者にとって大切なステップだと私は思います。


カール・ロジャース(Carl Rogers, 1902-1987)は、アメリカの心理学者であり、来談者中心療法(現・クライアント中心療法)の創始者です。彼の理論は、自己実現と成長を重視し、「無条件の肯定的配慮」「共感的理解」「自己一致(真摯さ)」という3つの要素がセラピーや人間関係において重要であると説きました。ロジャースのアプローチは、教育や人間関係の分野にも広がり、人間性心理学の礎を築きました。

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