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市美展入選作品の紹介

長崎市美展に応募をしました。
作品を2点出品したところ、2点とも入選しました。
作品の思いをnoteに紹介したいと思います。

「硝子縄胎曙塗長手盆 帆風」
工芸の名前は、材料と技法の名前を用いるのが基本的な名前になります。

硝子縄とは、長崎県の伝統工芸に指定されているビードロヨマという材料。
ビードロは硝子
ヨマは糸
縄胎とは漆芸の技法で基本は麻糸と漆です。
曙塗りとは朱漆の上に黒漆を塗る技法で、経年変化により、朱が現れてきます。

ビードロヨマは伝統工芸品の長崎凧で使用される材料。
全て、長崎凧の材料を用いて、漆とかけました。
縁は真竹。
裏は凧で使用される和紙。
そして、糸は、麻糸とビードロヨマ。
それらの材料を漆の技法を用いて盆にしました。
歴史的にも例がないビードロヨマを使用するので、実験要素も多い作品です。

長崎の波、帆船、山から海風によってあげられる凧。
経年変化で朱が出てくるときに朝日や夕日をイメージ。
帆をあげて前に進み出す、波や風の色と順風という意味を込めて「帆風」と名しました。

カステラにも、刺身にも合う創造を膨らませるような長手盆。

あまり説明すると、見た人の感性が偏るみたいなので、説明をしない方がいろんな見方や使い方が広がるって言われたんですけど、、、

思いを少しは伝えたいじゃないですか!!

本当の目的は、生まれ育った場所の工芸品や民芸品を漆芸という技法で形を変えて、少しでも知ってもらえたら嬉しいなという思いです。

機械を使わず自然の材料で作り上げた作品には、自然に変えるエコな取り組み。

2作品目

「波網代一閑張り盆」
こちらも、長崎凧の材料を使用して、盆にしました。地域のもの、自然なものをできる限り使っていこうという工芸的な考えなのですが、
とにかく手間と時間がかかります。
竹をひごにし、
編む。
和紙を貼り何度も塗り、乾すの繰り返しになります。

少しでも周りに理解してくれる人が増えたら良いと思ってのバタバタの出品でした。



今日から12月3日まで。近くに寄った際は見に来ていただけると嬉しいです。

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