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ピアノも音楽も超えたスリリングな芸術論──坂本龍一『commmons schola vol.18 ピアノへの旅』 by 板倉重雄
今年7月に発売した坂本龍一さんの『ピアノへの旅(コモンズ スコラ vo.18)』は、謎の多い鍵盤楽器成立史を妄想を逞しくしながら辿った前半、制約の多い不自由なピアノという楽器へのアンビヴァレントな思いを語った後半、ともにこれまでにない視点からピアノとその音楽を論じたひじょうに刺激的でユニークな内容になっています。 ぼく自身、この仕事に携わりながら目を開かされた点が多々あり、ピアノという楽器への見方と聴き方がずいぶん変わりました。にもかかわらず、シリーズ第18巻ということもあっ