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画家と同じ目で世界を見られるミラクル本✨ 小林 正人 (著) 自伝小説『この星の絵の具』📚ゴッホの手紙を超えた?!この本は人類の宝👑

小林正人さんの絵画って、どうしていつも激しく木枠からはみ出ているのだろう?はみ出ているというか、三角だったり、木枠自体が破壊されて、キャンバスもめくれまくっている!!そしてよく、ドカーンと床に置いてある!

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庭園美術館『生命の庭ー8人の現代作家が見つけた小宇宙』展(2021年1月12日まで開催中)展示風景

作品にも人物像にも惹かれつつ、ミステリアス度ナンバー1のアーティストでした。その彼が、制作過程そのものからプライベートな人間関係まで生々しく語っているのが自伝小説『この星の絵の具』☀

さながら映画『マルコヴィッチの穴』(Being John Malkovich)のように、小林さんの脳内に入り、同じ体験をしているような感覚。自分もアーティストと同化して一緒に喜怒哀楽を経験できちゃうような、ステキな一冊♪

私が感動したハイライトを上中巻から1場面ずつご紹介します!!

1.もどかしさ一気に解消☀ついにキャンバスを張りながら描く(上巻)

 あの、木枠からはみ出しまくりの絵画がなぜ生まれたのかがよ~くわかる巻!伝説のキュレーター、ヤン・フートに才能を認められ、国際デビューをはたす直前までの「国立時代」に既に発明していたのですね。

空を描こうとしていた時の作家の感覚が印象的!
「アトリエで俺の前にある白い300号のキャンバスと頭の中にある青い空の画がひとつにならない」「一方は物理的に正確な四角で、一方は俺にとって美しい四角なんだから」

WOW!空とキャンバスの間でこんな風に思考するのね☁とても新鮮。
でもわかる気がする。

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本の表紙にもなっている「空」の絵画。東京国立近代美術館に収蔵されている。

そしてそして☀《絵画の子》という作品の制作を始めたその時、
「歴史が動いた」!😀そのプロセスダイジェスト⇒

「絵画の子が自由に生きられる画の枠を作らないと」→
「だからこの枠は木枠をしっかり組んだ四角にはしない」→「そのぶんキャンバスのサイズを一回り大きく取って始めよう」→
「面状の造形は嫌だ」→
「この子供が自由に生きられる四角にするにはすでにある平面の上に描くんじゃ遅い」→「だから張りながらやる」→
「枠を感じるため木枠の中に入ってみる」→
「キャンバスを張りながら画の中に入り転がすように赤ん坊を描きながら右手に絵の具をつけその子がキャンバスから落ちないように左手で支える。キャンバスの裏から抱きかかえるように描いていく」

この場面、一緒にグイグイ画の中に入っていけちゃいますよ!!!
こんな風にして、巨大なキャンバスに、眩いイエローの《絵画の子》が生まれたのか~。
抽象的な絵画ですが、神々しいイエスキリストの赤ちゃんのように見えます。

💡これは、小林さんが絵画の新しい言語を発明した瞬間。
絵画界のゴダールと言わせて~!!!👏

2.絵画の床置きスタイル誕生(中巻)

大物キュレーター、ヤン・フートに招かれた小林さんがベルギー・ゲントで様々な体験をするのが(中巻)😀
世界的なアートピープルやアーティストと出会い、毎日のように新しい体験をする刺激的な日々です☀

そんな中、青天の霹靂のようにやってくる絵画の床置き体験!!

小林さん史上初めて床置きされたブレークスルー絵画は《赤い星月夜》🌕
そうあのゴッホの《星月夜》がインスピレーションの元です😀

小林さんってゴッホみたいだな〜と思うので、最初の床置き作品が《赤い星月夜》というのも不思議なつながりを感じます。

小林さんがゴッホみたいとは?
光の感じ方や色との相互作用について二人とも頻繁に書いているところ、何時間も見入ったりして発見するポイントなどが共通してるなと思うのです。

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この図録に、ゴッホの手紙から抜粋された彼の珠玉の言葉たちが、関連する作品とともにたくさん書かれています!
上野の森美術館で開催された『ゴッホ展』にて入手。

小林さんが、寒いアトリエで、屋台で買った暑いスープをフーフーと吹きながら《赤い星月夜》を描くシーンも素敵ですよ🌕

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《赤い星月夜》。『この星の絵の具』(中巻)より。
ボヤけててごめんなさい💦

床置きシーンは、かのヤン・フートさんがオープンする収蔵庫美術館のこけら落とし展に向けて展示をしている時に繰り広げられます☀

まさに映画のワンシーンのよう!こちらはぜひ本で読んでくださいね📖
「キャンバスを張りながら描く」に続いてのレジェンドな出来事です!

かのゴッホも彫刻のような厚塗りをしたり、うねって飛び出しそうな筆使いしてるところからすると、四角いキャンバスに囲まれた条件にフラストレーションを感じることもうあったのでは?なんて思いますが、やはり時代柄、その四角を破壊したり、床置きで展示したりということはありませんでしたね!

小林さんは、まさに絵画の進化に一役買っている☀感慨深いですね!

3.下巻に向けて

小林さんは現在、下巻執筆中とのこと!
これだけエキサイティングな上中巻を読んでしまったからには待ちきれません。
ちょっとあっさり目に紹介してしまいましたが、小林さんにとって重要なミューズ/女神 二人との出会いなど、ヒューマンな出来事もありのままに書かれていて引き込まれていきます!

個人的には、小林さんがよく描く馬についてのエピソードもより詳しく知りたいな〜🐴去年、庭園美術館の『生命の庭』でお会いした時も、馬の絵画の前でお話ししました🐴

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庭園美術館『生命の庭ー8人の現代作家が見つけた小宇宙』展(2021年1月12日まで開催中)展示会場にて。小林正人さん(左)と筆者(右)。ノーブルな馬の絵画(小林さんの自画像)の前で。

もちろん馬の絵画のキャンバスも、もれなくバリバリ木枠からはみ出ています😀みなさん、続きを楽しみに待ちましょう😀☀☀

庭園美術館『生命の庭ー8人の現代作家が見つけた小宇宙』展は、2021年1月12日まで開催中です!スーパーおすすめです☆

【展覧会情報】
展覧会名:生命の庭ー8人の現代作家が見つけた小宇宙
会期:2020年10月17日(土)– 2021年1月12日(火)
会場:東京都庭園美術館(本館+新館)

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