【開催記録】 第40回 アート対話カフェ 2023/05/20(土)
今回のアート対話カフェは、前半と後半で異なるテーマを用意し、参加者の皆さんに対話を行なって頂きました。
【前半】
前半では皆さんに、ジョアン・ミロの絵を見て頂き、発見したことやイメージしたもの、疑問に思ったなど、より多く言葉に出して頂きました。
作者名や作品名は、参加者の皆さんには知らせていません。ディティールまでしっかり観察して頂き、参加者の皆さんからより多くの言葉を持ち寄って頂きます。
参加者から出た意見
絵の中にトゲが多い印象を受けた。
木や、動物からトゲが出ている様に見える。画面に影がない。なので、とても平面的な絵になっている。
絵の中に国旗がたくさんある。木に目と耳がついてる。これは、木は見ることと聞くことはできるが、喋れないことを意味するのではないか?
海と砂浜。砂浜上に動物がいる。植物を食べる動物だとおもう。
例えば、うさぎや犬or狸、馬の様なものもいる。時間経過・時間変化を表している絵ではないか。
画面右は黒色、画面左には太陽、真ん中には三ヶ月、画面左に時計がある。画面右は自然(Nature)、画面左は人工物、という対比を表している絵ではないか。
不気味な印象を受けた。例えば、画面真ん中のウマなど。
まず絵を見たときに、描かれている内容がバラバラだから、統一的理解が出来ないと感じた。
画面中央に描かれている家の中に、他の景色が描かれている。
何を象徴しているのか?これは、ほんとうに家か?と言う疑問が湧いた。いくつかの異なる国旗がある。これは、お互いに侵略しあっている国々を表すのではないか。右下に白骨が描かれているが、これは動物の死を意味している。
鳥がOlive(平和の象徴)をくわえている。その身体は雲として描かれている。これは、ほんとうは動物の仮面を被ったヒトなのではないか。
料理店のゴミ箱を表している絵ではないか。
JOURという文字が見え、エスカルゴ、使用済み缶詰の缶、などからそう思った。注:Bonjour (=GoodDay)強国が弱小国を支配しているストーリーを描いているのではないか?
画面の中での対(ツイ)が目につく。家の右・左、画面の右部分と左部分など。なぜ、対(ツイ)を描いたのか疑問を感じた。
この様に、ディティールまで観察しできる限り言葉で描写して頂きました。最後にはみて頂いた作品を紙に描き起こして頂きました。
細部まで観察し言葉にしたものは、自然と頭の中に残るものです。しかし、言葉にしていないもの(観察していないもの)を、表現ことは難しかったのではないでしょうか。
前半では参加者同士で異なるイメージ(言葉)を互いに交換しあうことで、記憶に定着するだけでなく、より観察が深まる、といった体験をして頂きました。
【後半】
後半では、フランソワ・ミレーの作品を使い、参加者同士で対話を行って頂きます。こちらも作者名やタイトルは明かさずに始めていきます。
また、今回は次の2つの質問の2つの質問を頭に入れて頂き、対話を行って頂きました。意見と根拠(事実)を明確に分けて発言して頂くことで、より参加者同士の意見交換をスムーズに進めることを目指します。
参加者から出た意見
画面の左の人物は、死神ではないか。異常に痩せている。
白衣を着ているので見えないが、腰骨の出っ張り方などからほとんどが骸骨に見える。同じく死神だと思う。左手に羽のはえた砂時計を持っている。老人は(死神に)抗っている。また、老人の右上の画面にヒトの足が見える。
白衣を着た死神ではないか。死神は普通は黒い服を着ているのだが、この絵では白い服を着ていて、疑問に思った。
これは戦場なのでは?
これは、農村で壁と農夫が描かれていて、農夫は木枝(藁)束の中に何か悪いことをした証を隠しているのでは。それを死神に見つからないようにしている。
これは、死神ではない。鎌にカバーを付けている。肌の色が黒い。腕が長い。何をしているのだろうか?命を取ろうとしているのではない様に見える。
奥に見える足は、右のおじいさんの足。右のおじいさんは転倒などして死に際にいて、死神についれていかれている。右のおじいさんは亡霊だとしたら辻褄が合う。
老人の前に転がっている杖に着目した。この老人はどこから来たのだろうか?何をしているのだろうか?
死神の格好をした天使なのではないか?
この絵は何の上に描かれているのか?キャンバスではないようだ。キャンバスではこのような淡い色調が出ないのでは?
この様に、今回のアート対話カフェも参加者の様々な視点から意見交換を行なって頂きました。
次回もお楽しみに。
ご興味ある方、ぜひ一度ご参加ください!
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