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第69回アート対話カフェ

お盆も過ぎましたが毎日まだまだ暑いですね~。
今回は(運営メンバーを除く)12名の方々と鑑賞会を行いました。
2作品を鑑賞し、今回もまた様々な異なる視点での気づき、発見を共有していただけました。座談会もホッコリと和やかで楽しい時間となりました♪
中には「この会は居心地が良いので…」とリピートしてくださる方も!
とても嬉しい言葉、本当にありがとうございます!!

前半

作者不詳 『ベッドフォード時祷書』《バベルの塔》(1410~1430)

参加者からの声

天使が塔を壊しているからバベルの塔かな?と思いました。星が見えるから夜だけど、こんなに明るいのかな?と思いました。

僕も人が作っているものを天使が壊しているようにみえたが、緑っぽい服を着た人と左側にオレンジの服を着ている人がいて、争い合っているようもみえる。良いものを天使がばらまいていて、それを奪い合っているようにも見えてきた。

宇宙までいってるから星が見えているだけで、この場所は雲の上までいっている場所なのかもしれない。最初の(自分の)意見、訂正します!

カラフルで楽しそうと思ったが、拡大してみると、ごちゃごちゃとしていて混乱しているようにも見えてきた。お偉方が相談しているようだったり、盗賊のような人もいるし、上の方に赤ちゃんみたいなものを抱えている人もいるし…いろんなものが混ざり合っている感じで、夜なのにあんまり重苦しい雰囲気のない絵でもあるなあと思いました。

もしかしたら急ピッチで物事が進められているところではと思った。夜なのに作業を進めていることもそうだし、大きなプロジェクトの割には人が少ないし、人が飛び降りているのも、決まらないうちにこのプロジェクトが始まってしまって危険なことになってしまった。このプロジェクトを進めたい人達が「これはまずいかな?」とかそういった話をしているのかな?と思いました。

下にいる人達は資本家。上の方に行けば行くほどケンカしている。上の人達は富を得ようと戦っている?天使は平和をもたらそうとしているのでは?
空に向かって伸びているのでバベルの塔を浮かべたが、天(=神)に近づこうとしているのを天使が邪魔する。空の色を見て夜でもあり昼でもあるように感じたので24時間通じて「破壊と創造が無限に続く」ことが起きていることを感じ取りました。

シンボリックなものを建てている、ということと、ごちゃごちゃしていて…ラクダが居ることや風車があるが家みたいなものが見えないことからここは集落ではなく、集まってきた人達は他者を気にせず一つの塔を建てることだけを考えてやっている、ということを感じました。

わかりにくい不思議な絵。バランスが悪い。遠近法もないし古風な服を着ている人はたくさん居る。イメージで描いているのかな?と思った。日本画の墨絵か何か心の…「変な絵」としか感じないですね。

文字はこの絵の説明なんだろうなと思うが、たぶん宗教的な意味があって、あくまで鑑賞用ではなく教訓的なものを説明するための絵なのかなと思う。

西洋かと思ったがラクダがいるからアラブ系、イスラエル…宗教施設として塔を作っている。それを妨害する人もいて~そういう状況かなと思います。
ラクダはアラビア半島に生息しているので、その界隈の地域だと思う。下の字は情景の説明か作者かと思う…識字率の低い時代だとしたら字が読めない人のために何が起きたかを説明している絵なのでは?

背景に教会のような城のようなものと色合いが似ているから関連する建物なのかなと。それと、上等な着物を着た人は6人いるがその人たちの服の色が塔の階段だったり手すりだったりの色と似たような色の服を着ていて~略~質素な建物と服の色の対比からお金の象徴なのかなと思いました。

乾燥地帯だと私も思う。地面の色が土が多くて、木の高さが少し低いような気がして、水が少ない地域なのかな?と思う。その貴重な水を使って塔を作っているように思う。水だけでなく白い石のような材質も貴重なものなんじゃないかな、と皆さんの話から思いました。

登場人物は3種類いる気がする。お金持ちと大部分が仕事をしている人達、真ん中に覗いている人と、盗もうとしている人。


後半


ヒエロニムス・ボス 《愚者の石の切除》(1494~1516年頃)

参加者の発言

安楽死させている?この男性は天国に召される。バイブルを頭に乗せている人は祈っている。

椅子に座っている人は括り付けられているように見えて、服がどうも変わっている。普通に着れない感じの服だし、どうやって着たのか?悪い人なのかも。黒いものは猫に見えて可愛い。メスを刺している人が医師なら痛いから縛り付けている?それを見ている二人。靴が椅子の下にあるのも、この人が脱いだのかな?

人物の表情やポーズから、のほほんとした悪魔祓いのように思った。悪魔祓いにしては切羽詰まった感じはないから違和感はあるが。手術を兼ねながら悪魔を抜こうとしているようにみえた。聖水を持っている人が聖職者。頭にのせているものは聖書。

全体から広告や張り紙のような…パッと目を引くと思った。内容は悪魔祓いや安楽死や手術とか。穏やかで田舎のような背景により「明るいものではないもの」を「危なくないですよ」と示している広告なのでは?という印象を受けた。

商業的な意味があるのかな?と文字はお店の情報、数字は番地のようなものを現わしているかも。

頭に刺して残酷だと思ったが、二人の表情とのギャップから、すごく不思議だと思った。大きな漏斗も「こんなのあるわけないだろ」と。こういう行いに対して何か示している宗教的な意味のある絵なのかな?と思う。

中央の神父様とその隣にいるのは看護師、三角の帽子をかぶった人は医者で(服装や持ち物から)都会から来た人だと思う。こういう医者がいますよ、というポスターで教会に貼る用ようなもの?ヨーロッパでは手術をする時には神父と看護師が来るものなので。

儀式では?頭に矢が刺さったから悪霊をとって祈りを捧げ、漏斗の意味はわからないが椅子に座っている人は(猫のような鞄に矢のような物が入っているから)ハンターか何かなのでは?というストーリーが浮かんだ。

円錐状の何かが刺さっていて、それを取り除く手術だと思う。それを見ている女性は「バカねえ…」とあきれて見ている様子。

真ん中の白い線、最初は染みか折り目かとも思ったが山との境界の辺りにあるのは塔のてっぺんで、鉄筋を作れる時代の絵なのでは?と思い、そこから考えても避雷針を作れる時代、そういう時代の建物を現わしていて、その建物に雷が落ちているところなのでは?と思う。そうすると雷ではないが何かが天から降りてくる、ということを暗示していてそれを(左の男性は)かぶっている。あと、手術のようなものは「取り付けている」ところでは?と思う。テーブルに同じような物があるが血はついていないから。

外でこんな処置ができるとしたら救急を診ることができることを言いたくてやっているのかな?それからこのサンダル?靴?は誰の物で何故ここにあるんだろう。

手術の最初の頃の模様なのかな?悪魔とか怨霊もあるかもしれないが宗教と医学と考えている時代で科学的な外科手術をする。~略~name isとあるように見えるから呪いや病気が(背景にある煙のように)昇華していきますよ、というような意味でDoctorが町に来たよ、というポスターだと思う。

黒字に金文字で丸く切り抜かれているから円形である意味を考えていた。なんで○なんだろう。丸って完全なもの、神がつくったもの、天体の世界、完全性のイメージがある。その形の中に医術と宗教者達。何か意味があるのでは。宗教世界に医学が台頭してきてタブーにメスを切り込んでいるような。


最後に

本日もありがとうございました!
またぜひご参加ください!