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人は如何にして体制翼賛へとなるか:リアリズムと政治的正しさの狭間で - 加藤直樹「ウクライナ侵略を考える」を読み解きながら(2)
今回は、加藤直樹くん「ウクライナ侵略を考える 「大国」の視線を超えて』に関して色々私の考えを書いていくシリーズの続きです。
前回は:
第3章まで書こうとしたけど長くなったので2章だけです。ごめんなさい(´・ω・`)
今回は、基本的に第2章について書いていこうと思います。本当は3章まで入れたかったのですが、長くなってるので…ただまぁ、前回書いたように
後、一つ一つの「事実」や「デマ」と本の中でされてることに関しては、細かくは触れない予定です。何故ならば、
(中略)
その危険さ・ヤバさを踏まえた上で、色々と、それこそ「敵」とみなしてる側の主張やプロパガンダ・フェイクニュースと、こちら側のそれらを同じ目線で・物凄い冷めてる上から目線で見回した上で慎重に考えないと本来はいけないのですが、そのやり方や方向性が違うと、単なる水掛け論・レスバにしかならず、話が全然進まなくなるからなんです。
私も、ネット歴がもう、35年近くなるので、そういういやーな抗争は散々経験してますしね(´・ω・`)
と言う辺りは、このシリーズでは貫きますので、そこはお許しを。
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「思考の歪み」とは?というところから、危機センサーがどう働くかへの注意を払うことの重要さを考えていく。
第2章『「ロシア擁護論」批判① -- それは大国主義である』では、しょっぱなから「1 思考の歪みをどう見抜くか」と題して、2022年の2月24日に、ロシアが正式にウクライナと戦争を始めるまで関心のなかった自分が、どのようにして、即時停戦論や「ロシア擁護」を言う人達のような「思考の歪み」にならなかったか。ということを書いちゃってるわけですよ。
これねぇ、一見、もっともらしいことを言ってるんです。そして、人情家で勉強家である加藤くんが、どのようにして一方的なバイアスの情報にのめり込み・それとは逆の情報を拒絶して、エコー・チェンバーに身を投じていったか。ということを、非常に明白に告白してるという感じがするんです。
これは、右であれ左であれ中道であれ、全ての人達が気をつけないといけないことが何か。ということを身を以って示してもいる。
もちろんきちんとした勉強をすることで、きちんとしていない話を見抜くことが望ましいだろうが、それと同時に常識的な判断力をフル活用することが重要だ。
なぜか。専門家は、専門の外でおかしなことを言うことがあるからだ。ここで言いたいのは、専門外のことには無知な、いわゆる「専門バカ」のことではない。専門分野のことであっても、その専門的知見が歪んだ思考の枠組みの上に載せられている(あるいは組み込まれている)ことがあるということだ。
この文章だけだと、まぁ、基本的な手法は間違ってないよね。とはなるんです。でも、重大なところが欠けている。
「常識的な判断力」の限界。それは、戦時プロパガンダの特殊性への注意の払い方によって違ってくる。
それは、何か。
戦争にまつわるものや「世界秩序」の維持のような大きな利害とか、宗教的な大義、そして、日本だと表現規制問題や共同親権問題や水着撮影会への攻撃なんかで表面化してるような、イデオロギー的な「大義」の実現という問題が絡んでくると、そもそも「常識的な判断力」では対応しきれなくなるんですよ。
大きな利害や大義が絡んでる問題では、企業もある種の政治勢力も、長い時間をかけて「専門家」を絡め取り・マスメディアだけではなく場合によっては学会/学界をも取り込み統制して、片方に都合のいい見解で染めてしまう。それに反する見解は、事前に葬り去るような事が、普通に起きている。
「戦争」に関して言うならば、2011年9月11日のニューヨーク・国際貿易センターへ旅客機が突っ込んだ事件からイラク戦争とアフガニスタン戦争へとなだれ込んだときの日本やアメリカの流れがそうであったし(アメリカなんかは愛国者法などまで作ってましたよね)、そのような事は、シリア内戦で一気に進んでて、片方・要はアメリカやなんや西側の息のかかった人達に都合のいい話ばかりが「戦場ジャーナリズム」の左派の人達に信じられ・アサド政権側が一方的な悪魔としてみなされるという構図に陥った訳ですね。
「アメリカから〈自由〉が消える」 堤未果、扶桑社新書、2010
例えば、シリアの反政府派支配地域で人命救助に活躍し、シリア政府・要はアサド政権やロシアの非道ぶりを度々伝えつつ、反政府派支配地域での反政府派の人道犯罪行為を無視したり「嘘だ」と主張してきたホワイト・ヘルメットに対する評価が、西側とそれ以外でバックリ割れてたりするのがいい例でしょう。
一番最後に出した記事の一部の自動翻訳を載せますが、
背景
シリア市民防衛としても知られるホワイト・ヘルメットは、シリア内戦の爆撃や砲撃、その他の影響で瓦礫の下に閉じ込められている可能性のある人々の回復を支援するシリアのボランティアグループである。この組織は、シリア全土からのボランティアの散発的な活動として始まり、2014年10月に「原則憲章」5に署名した後、これらのグループが正式に団結して「独立した公平な組織」を設立した。
ホワイト・ヘルメットは3,000人以上のボランティア救助隊員6人で構成されており、捜索と救助活動によって115,000人以上の命を救ったと主張しており、7人は「代替ノーベル賞」としても知られるホワイト・ヘルメット・ザ・ライト・ライブリフッド賞を受賞した。この賞は271,184ポンド(約370,979ドル)の価値があり、4人の受賞者に分けられる。8
英国の非営利団体であるシリア・キャンペーンは、ホワイト・ヘルメットを代表して資金を調達しています。英国ではVoices Projectとして登録されており、Voices Project Germanyという名前のドイツ版もあります。シリア・キャンペーンへの寄付は、米国の関連会社であるVoices Project USAを通じて処理されます。9
(中略)
Salonによると、米国国務省は2017年以前にホワイト・ヘルメットに2300万ドルを提供した。
https://www.salon.com/2017/05/25/yet-another-video-shows-u-s-funded-white-helmets-assisting-public-held-executions-in-rebel-held-syria_partner/
自動翻訳にはNICTの「みんなの自動翻訳@TexTra」を使用。
この延長線上に、ウクライナ・ロシア戦争を巡っての左派の「認知の歪み」ができてると思うんです。
「反米をこじらせてる」というディスりの言葉が、まさに「認知の歪み」「思考の歪み」を象徴している。
戦場ジャーナリストの志葉玲氏が、開戦直後、ウクライナやアメリカの極端な経済制裁に対する批判や早期停戦論に対して「反米をこじらせてる」とえげつない言い方をしていましたが、それは、まさに、そういう、「認知の歪み」そのものだった。
https://twitter.com/reishiva/status/1498822637254221828
以降:
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あえて指摘するが、シリア内戦では反米をこじらせた人々が現地での凄惨な虐殺を容認、或いは見てみないフリをしたことが、反戦機運が高まらず民間人被害が拡大した要因の一つかと。何が平和だって?
#ウクライナ 侵攻には各国政府が対応しているけど、市民レベルでは反米こじらせ根深いものがあるね。
反米こじらせ問題について指摘すると、「志葉はCIAの広報」だとか、馬鹿げたことを書く、イカれたヒトビトが湧いてくるが、どの国、勢力であっても人権侵害を許さない、そういうスタンスであるだけ。ちゃんと、こういう記事↓も書いているしな
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/ffe06548c79c188d7401b2e4c984d29cc364f368
なお、反米こじらせとは、米国が憎くてたまらず、現地の独裁政府やロシア、中国等が深刻な人権侵害も「米国のプロパガンダだ!嘘だ!」とエクストリーム擁護すること、と志葉は定義。一部のトランプ支持層も反米こじらせだよね。既存の米国政界への不信感で、トランプを祭り上げている。
☓現地の独裁政府やロシア、中国等が深刻な人権侵害
◯現地の独裁政府やロシア、中国等による深刻な人権侵害
字数制限あって直してるうちに、てにをはが変になるね(ーー;
※件の志葉氏ツイート「など」についての、私のツイート:
https://twitter.com/Artanejp/status/1682243859437477888
から:
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なんか、ロシアとウクライナの戦争でロシア側の動機や戦略に一定の合理性を認めること自体が「反米をこじらせてる」「反米が自己目的化してるからだ」と言う話で「左派やリベラル」が片付ける病が蔓延するの悪化してるの見て、ちょっと吐きそうになっております(´・ω・`)
東欧とか旧ソ連諸国がソ連崩壊以降、アメリカやネオコン(各国)や西側大企業の思惑に翻弄されて政情不安定な状態を長年強いられたり・経済的に西側企業の植民地状態になった国も珍しくなく、マフィアが野放しな場合すら多い。と言う辺りの現代史を見てるなら、そんなん言えるわけがないと思うのですが
もともと親米ベッタリの類の右派がそれいうならわかるし、世界情勢にあんまし関心持ってこなかった普通の人達がそれ言うのも、まぁ、すごくわかる。
でもねぇ…(´・ω・`)
でもねぇ…(´・ω・`)
世界情勢に関心払ってきてた左派やリベラルの、それもインテリがその世界観はどうなのよ?(´・ω・`)
加藤くんも、志葉玲氏と同じラインで、2章以降を書いている。
「ウクライナ批判者は反米をこじらせてる」論を踏まえて、もう一度、本の内容に立ち返っていく。
※5/19 02:21: ここから先は、ご購入の上でお読みくださいませ。
ご購入や「サポート」にて、ご支援よろしくお願いいたします!!! m(_ _)m
予告
近日公開予定である次回(5/19の未明時点で本番稿を書き始められてません!!)では、第3章+第4章(予定)を批判的に読み解いていきます。
この2つの章ではエマニュエル・トッドなどの「リアリズム国際政治学」を加藤くんがけちょんけちょんにディスり・「原理主義的反戦論」をメッタ斬りにしてる…ように読めるのですが?
この事を踏まえて、
ウクライナについても同じである。アカデミズムの世界に於ける議論や記述を押さえておけば、どの言説がアカデミズムの認識の「幅」の範囲内にあって、どの言説が範囲外の、信用度の低い説明なのかを判断できる
(後略)
という感じで、自分が何によって立ってるか。を示している。のですが…
再び、「誤ったアジェンダ設定」を行ってる。
第2章の2項では、「ロシア擁護論」を宇山智彦「なぜプーチン政権の危険性は軽視されてきたか」という2022年4月・開戦後の論文をベースにして論じてるんですが、
ttps://src-h.slav.hokudai.ac.jp/center/essay/PDF/20220413.pdf
私は「ロシア擁護論」の根底にある思想的問題を、①大国主義、②民族蔑視、③日本的平和主義の傲慢の3つに見る。
という前提にたどり着いて、個別に批判してるんですよね。私から見たら、これ自体が、まさに「誤ったアジェンダ設定」なんですよね。
「書かれていないこと」が、雄弁に語っていることについて。
で、引用ばかりになるのもまずいので3項と4項についてざっくり書いてしまうと、「NATOの責任論」が「大国ロシアの責任を不問に」してる・要は「ロシア無罪論」の根拠になっていて、それが第一の歪みにつながってますよ。って加藤くんは書いてるんですね。
そういう人達もいたのは事実ですが、しかし、大半の、彼が「ロシア擁護」と言ってる人達は、「大国ロシア」にも責任があるが、しかし、米英というよりネオコンがウクライナへ内政干渉を続けて「ロシアを再び事実上の植民地にする為の前線基地」へとしようとしてきた歴史は無視できない。ましてや、ドンバス地方への民族浄化や、ウクライナ国内各地で極右が政府のお墨付きで「非ウクライナ人」に暴力をふるい・テロや誘拐も多くあった。と言う背景事情を無視することは、もっとできない。という考えであるのですが、その部分は、すっぱりと抜かされている。
多分、彼はそういう考えが(彼のいう)「ロシア擁護論」の大半を占めている。という「現実」から、目を背け続けてる。
この項では、「あの地域の近現代史に関する教養の薄さを深めてる」ことからくる問題が繰りかえされてるんですよね。これは、この本自体だけではなく、勿論加藤くんだけでもなく、加藤くん的な論や志葉玲氏的な論に「共感」し、ロシアの全面撤退がされるまでウクライナは何百万人死んでも・国外に人々が逃げても、戦い抜くのを応援しなきゃいけない。止めるなんてもってのほか。という風に本気で考えてる左派やリベラルの人達が共通して抱えてる、そして極めて「平和」という一面に於いてだけでも、極めて危険な価値観・視野なんですよ。
国家と市民、まぜるときけん!
第2章 5項でウクライナの被害者性が言われてないという話がされ、6項では今回の戦争が「ロシアの予防戦争だった」という論を批判してるんですが、アレ?と正直思いました。
ウクライナの被害者性を無視してる論者、そんなたくさんいましたか?
はっきり言って、ごくごく僅かですよ。それこそ、よほどのロシア信者の中でも、ごくわずかだった。大半の人達は、あの一帯の近現代史を踏まえた上で、ウクライナ政府やその後ろ盾とも言える米英やネオコンが戦争を止める努力から徹底的に逃げてきていた。と言うことは言えども、ウクライナを被害者でないとは思ってない。
厳密に言うならば、ウクライナの、上級国民でも極右勢力の中の人たちでもないような「普通の一般市民」が、最大の犠牲者だ。ウクライナ政府や米英・ネオコン、そして彼らの後ろ盾を得て暴れてきた極右勢力の人たちは、ロシアに対する加害者である以上に、ウクライナの普通の一般市民に対する加害者ではないか。
という大前提を私は持ってたんですよ。それは、開戦してから出てくる情報、とりわけ、Telegramを通じて出ているウクライナ・ロシア両国の報道や公式/非公式の声明、そして何より、一般市民の生の声や動画、戦争の最前戦で戦ってる兵隊さんたちが勝手に情報発信してる(特に、ウクライナの兵隊さんたちは最初の半年間くらい活発に動画出してて、少なくない数の戦時国際法違犯行為・残虐な人道犯罪の証拠になるような内容の動画もあった)に基づいてるからでもあるんですけどね。
進んで戦う・嫌々戦わされる。どちらにせよ、殺され殺す羽目になる地べたの一般市民の想いが「愛国心」の厚化粧で見えなくなってる。と言うことへの恐るべき無頓着ぶり。
そして、第2章 6項で、日露戦争も絡めて「NATOの責任論」などを批判した上で
ましてや、ロシアの「不安」に同情し、その擬制の不安の擬制となるウクライナをロシアへの加害者のように見るのは、度し難い倒錯である。
と結論づけちゃってる訳です。ここで私が言わないといけないのは、第2章、ここまでに関しては、ウクライナの一般市民や前線で戦う羽目になってる・愛国心が(極右の人達ほどには)そんなに高くはない普通の一般市民の兵隊さん達の存在が、もはや、消え去ってるんですよね。
「鳥の視野で冷めた眼で見よ」と私は書いてきましたが、それは同時に、市民・それも政治的な情報発信や思考・運動に必ずしも参加しないような、地べたを這いずり回って今日を生き延びようと必死な、一般市民の視線、「虫の眼」に思いを馳せて必死に見ようとすることとセットでやらないといけないことなんですよ。そうしないと、引くべき補助線の引き方を、一気に間違える。
「愛国心や祖国防衛に燃える市民」の姿は、ウケのいいプロパガンダとはたしかに限らないのだが…
第2章 7項では、「代理戦争」論を批判し、開戦直後のウクライナ市民の愛国心の強さ・ロシアを追い出そうとする鉄の意志の素晴らしさを蔑ろにしてる。というようなことを、こんな感じで書いてるのですが
ウクライナ民衆の徹底した抗戦意志は世界を驚かせた。人々は領導防衛隊や国軍に志願し、ぜレンスキー政権の呼びかけに応じて火炎瓶をつくり、(中略)。
こうした抗戦意志は、ロシアの侵攻がウクライナの自決権を一方的に踏みにじり、ウクライナ民衆が歴史的に形成してきた民族的尊厳を踏みにじったことへの怒りが生んだものだ(後略)
…色々ツッコミどころがあります。
まず、戦時プロパガンダというものは、外国に(政府やマスメディアを通じて)なされるプロパガンダは、毎度毎度こんな感じなんです。愛国心や民族意識に燃える市民たちが、侵略者を撃退するために身を粉にして・死をも厭わずに戦いに参加してる。なんとすばらしいことか!!!と。それこそ、「大東亜戦争」や第二次世界大戦から、アフガニスタンへのソ連侵攻、ユーゴスラビアの内戦などなど…数え切れないくらいたくさん、戦争に関わってるあらゆる陣営で感覚が麻痺しまくるくらいにたくさんなされてきた。
そういう「物語性」は、特に西側諸国という、一見自由であらゆる情報に触れることができるように「勘違い」してる人達には、ものすごくウケがいいんですよね。ロシアやウクライナに限らず、政府もマスコミも日頃からウソをつくし都合悪い話は隠すというのが当たり前であるような国々に対しては、「またかよ…」としらけるだけなのですけど。表面上は「すばらしい」と言ってても、内心・本音の部分ではね。
戦争には「お祭り」要素もあるから、最初は盛り上がってノリで市民も突き進むという事がいまいち見えてないのかな?
そして、これが更に大事な話なんですが、国家が戦争を始める場合、その国家の国民、最初は、愛国心に燃え・熱狂して戦争に参加したい、直接参加できなくても、貢献したい。って必死になるもんなんです。国民国家に於ける戦争というのは、それこそ日本で言うなら戦国時代からそうであったのですが、「お祭り」の要素も多分にあるんですよ。世界のお祭りの多くが、喧嘩や暴力的なぶつかり合いで熱狂する事をやったりしてるのと、ノリとしては同じ感じで。
この項では、ベトナム戦争を例に出して自説を補強してますが、そこは省きます。
ミア・シャイマーやエマニュエル・トッドなどの「リアリズム国際政治学」(仮称)をボロクソに評してるのだが…(;´Д`)
第2章 8項では「ミアシャイマーの大国主義的世界観」と称し、第3章では丸々一章を使って、ミア・シャイマーやエマニュエル・トッドのようなリアリズムに基づいた世界観をボロクソに書いてる訳です。
リアリズム国際政治学というものを、明らかに誤読している。リアリズム国際政治学に関して第2章 8項の結びで
ミアシャイマーの理論は、大国が好きに振る舞う世界を否定する立場からは、対決すべき相手であっても共感や賛美の対象ではあり得ないはずなのである。
と結論づけてるんですが、そこに至るまでの論建てを見ていると、明らかに、彼ら「リアリズム国際政治学」の持つ視野の広さ…虫の視野が根っこにあって、その上で敢えて鳥の視野から冷めた眼で見る…も、大国同士のパワーゲームによって中小国も振り回されてるだけではなく、大国の身勝手な都合や理想や利益を押し付けられて、もっぱら中小国がボロボロに搾り取られ続けてきたという世界の歴史があった上で、それに対して反旗を翻し始めては潰されてきたけど、アメリカ一極支配が終わりを告げてる現状では、一部の「大国」がその反旗を取り込み力としつつある。という根本的な考え方が、全くわかってない。
その上で、日本というか西側というかで今まで「政治的に正しい」とされてきた国際政治論や世界観で「リアリズム国際政治学」をとんでもない悪い学問だ。って断罪してるように見えるんです。
それこそ、昨今西側各国で問題になってる「ポリコレ」を巡ってのたくさんの人々からの批判的な声の全てが、「ネトウヨ」「ミソジニー」「レイシスト」などの差別的で”わかってない・バカな”人々が「正しいこと」を拒絶してるだけだ。って切り捨てて、尚更色々ゴタゴタしてるのを、なぞってるという見方すらできる。
つづく。
さて、今回、3章まで進めるつもりでしたが、予想外にたくさん書いてしまったので、2章について書き終えた、ここで一旦切りましょう。
2章自体ももっと細かく触れたかったのですが、これより細かくして長くしても読む気なくすでしょうし…。
9章に渉るので、それぞれに220円というお値段をつけるというのは、流石に私自身も良心が咎めてるのですが…困ったなぁ…と思いつつ、更に続きます。
※この文章は、次の文章が出るか・5月18日あたりのどちらか短い方までは全文無料で読めますが、その後は、後ろの方を有料で読むようにお願いすることにします。
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