マルティン・ブーバー Martin Buber (1878年-1965年) の誕生日 (2月8日) 墺 宗教哲学者
マルティン・ブーバー מרטין בובר [ヘブライ語] Martin Buber (1878年2月8日 - 1965年6月13日) オーストリア出身の宗教哲学者・社会学者。
「我と汝」は岩波文庫で読みました。
「我 (Ich [ドイツ語]) と汝 (Du [※1])」と「我 (Ich) とそれ (Es)」との二つの関係性により世界は二つ存在し、
前者 (「我と汝」) が大切だとのこと。
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私の考えですが、
「自分」って何だ? と思うことがありました。
ノートにものを書くのが好きなので、
新潮文庫の「マイブック」も手に取ったことがありますが、
その時、オビに大きく「自分の本」と印刷してあって
「自分」の本って、何を書けばいいんだ?
と考えてしまいました。
見た映画や本の感想?
いくら「自分」の意見といっても、
そもそも他人が作ったものだから「自分」じゃないよね。
自分で何か創作すれば?
何か良いものを作ったとして、それはそれであって…
「自分」そのものとは違うのでは。
普通そこまでは考えないでしょうが、
あえて「自分」と言われて、そういう考えになってしまいました。
自分が深く考えずに楽しく生きるとして、
美味しいものを食べて、好きなものを見て人生を過ごすとして、
その人生は、自分とは違う「もの」に囲まれた人生であって
「自分」が無いことが楽しいことなのか。
そうなのかもしれないが。
「愛する家族」となら「自分」はどうなるのか。
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ブーバーの「我と汝」の場合、
「自分」は、単体で存在するのでなく、
「我とそれ」か「我と汝」でしかあり得ず、
真の「我」は「汝」との関係性においてしか存在しようがないということ
なのでしょう。
そうあるべき、という以前に、それしかあり得ないのだという認識であり、
そこから出発して「我」なら「我」を「汝」との関係で立たせるしか道が無い、
また、そうすることによって大事なものが得られるのだ
と受け止めてます。
※1
Ich, Du, Es いずれもドイツ語の人称代名詞。
Duは親称 (親しい呼び方) の二人称単数で「君」などに相当。
ドイツ語の敬称 (丁寧な呼び方) の二人称単数 (と複数) はSie [語頭が大文字] で、
「あなた」(複数だと「あなた方」) に相当。