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【日常写真日記#2】夜勤

今日は夕方、地元の神社でいくつかのお祭りが開催されていた。街は提灯の光や屋台のにぎやかな音楽に包まれ、非日常の空気が漂っていた。
友人からは、浴衣姿で祭りを楽しんでいる写真が送られてきて、行けなかったことが残念でならない。神社での祭りの熱気と歓声がこちらにまで伝わってくるようだった。

それでも、私はいつも通りガソリンスタンドでの夜勤に向かった。仕事が始まる頃には、空もすっかり暗くなり、ガソリンスタンドの白い看板が暗闇の中で浮かび上がっていた。

日の落ちたガソリンスタンド。光が静かに灯っている。

夜のガソリンスタンドには、昼間とは違った独特の雰囲気がある。昼は車の出入りが激しく、忙しさに追われるが、夜は静かで、時折風の音が聞こえるほどの静寂が支配している。看板の明かりが無機質に光を放ち、ポンプの機械的な音だけが響いていた。

客足も少なく、空いた時間にふと空を見上げると、祭りの花火が遠くで上がっているのが見えた。大きな打ち上げ花火が夜空に咲き誇り、カラフルな光が一瞬だけ闇を照らし出す。ここからは花火の音はほとんど聞こえないが、その光景だけでも十分に楽しむことができた。お祭りに行けなかった寂しさが一瞬和らぎ、仕事の合間に夏の風情を少しだけ感じることができた。

夜勤の時間はまだまだ続く。祭りの楽しげな様子を想像しつつも、今は目の前の仕事に集中するしかない。この静かな時間の中で、自分と向き合うような感覚になることもある。お祭りには行けなかったが、この夜勤の時間もまた、自分にとって特別なものだと感じている。

もう少しで次のお客さんが来るだろう。その時まで、しばらくこの静かな夜を味わいながら、また仕事に戻る準備をしている。

ガソリンスタンドの夜勤は、時折こうした静かな瞬間を与えてくれる。車の出入りが少ない夜は、無駄に考え事をしてしまう時間が増えるが、その一方で、こうした自然の光景や瞬間に心が癒されることもある。花火が消えた後の夜空を見上げながら、次のお祭りにはぜひ参加したいと思った。

仕事が終わる頃には、すっかり遅い時間になる。
スタンドの明かりはそのままに、街の喧騒もすっかり静まり返っていることだろう。
次回のお祭りには、仕事の合間を見つけてでも、足を運ぼうと心に決めた一日だった。

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