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【ディベート甲子園等の大会に出場する選手、指導者向け】調査型ディベートの準備方法~ディベート準備で良くある3つの悩み

◆調査型ディベートの準備(プレパ)方法~ディベート準備で良くある3つの悩み

 ディベート甲子園という中高生全国大会の地区予選がスタートしました。普段は授業におけるディベートの活用について論じていますが、せっかくなので、それとは別にディベート甲子園のような大きな大会に出場する際の準備方法について記載をしたいと思います。

同じディベートでも調査型と即興型では準備の仕方が少々異なります。ここでは調査型ディベートの準備方法についてご紹介します。その前に調査型ディベートの準備をしていると下記のような失敗が良く起こります。

ディベートでよくある悩み
・立論の完成がギリギリになってしまい、それ以外の準備ができなかった
・練習試合をたくさんしているのに、上達しない
・ある程度まではいけるけど、そこから一歩抜け出せない

 私は今まで数多くのディベートチームの指導に当たってきましたが、上記の失敗は調査型ディベートの準備で良く陥ります。私の経験からすると、それは準備に対する考え方が間違っている事で起こる事が多いと思われます。

 もし、あなたがディベート大会に何回か出場していたとして、練習もたくさんしている、リサーチもたくさんしているのに勝てないと思っているならば、まずはプレパ方法を根本的に見直すべきです。

 私の経験からすると、ディベートは他の競技にくらべて反復練習によって決まった事をパーフェクトにこなせるようになるというのは本当に最終段階にだけすべきであって、それ以前にその方法論でいくのは効率が悪いと思っております。

 結論から言うと、調査型の準備とはプロジェクトであると考えていくべきです。これは授業であっても、クラブ活動として大会に出場する際にも同じですが、特にディベート甲子園、全日本大学ディベート選手権、JDA大会などのハイレベルな大会に出場する際にはディベートのプレパをプロジェクトとして遂行するのは必須の能力となります。

◆調査型ディベートの準備とはプロジェクトである


 調査型ディベートの準備はプロジェクトです。具体的に言えば、大会で自身が決めた目標を達成するためのプロジェクトです。その目標は優勝だったり、1勝するといった結果もあれば、〇〇という議論がどこまで通用するか試すといったものまで幅広く考える事ができます。ここでは、ディベートの準備をプロジェクトだと考えた上での、必要な能力とは何かを考えていきましょう。

調査型準備においては、議論構築能力以外に下記の能力がプロジェクトを進めていく上で必要です。

調査型ディベートの準備(プレパ)に必要な3つの能力
・スケジュール作成能力
・マネジメント能力
・リサーチ能力

 更に調査型の下記特徴を意識する必要があります。これはトーナメントに指導される際は勿論、授業で実践される場合にも、下記の要件を訓練できるように授業設計をされると教育効果が高くなります。

調査型ディベート3つの特徴
・証拠資料を使う
・スイッチサイドになる(肯定否定の両方の立場に立つ)
・同じ論題で複数試合を実施する

 特に調査型では「同じ論題で複数試合を実施する」というのが重要です。同じ論題で複数試合をすることで、前回失敗したことにもう一度挑戦できる可能性が高いからです。ディベートの準備はビジネスなどでよく言われるPDCAサイクル(※)を回す練習としてとてもやりやすい環境であり、ある意味で努力すればするほどレベルが上がっていきやすいという達成感があるわけです。

 このPDCAサイクルを回すという発想に基づいてディベートの準備を進めるようになると、皆さんのディベート力は短期間にすごく伸びていくものと思います。

では、次回は必要な能力について具体的にみていきましょう

続きはこちら
ディベート甲子園等の大会に出場する選手、指導者向け】調査型ディベートの準備方法~ディベートPDCAの勧め

※PDCAサイクル
PDCAは「Plan・Do・Check・Action」の頭文字を並べた言葉です。それぞれ詳細は下記の通りです。
Plan:計画を立てる
Do:実行する
Check:評価する
Action:改善する
この一連の行動を1サイクルと考えて、何度もクルクル回すことで継続的改善を行う事をPDCAサイクルと呼びます。


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