夏の思い出
夏の盛りの八月の初旬。
アルスシムラではワークショップを行いました。
桂川で朝取りの勢いの良い葛や嵯峨校の庭の枇杷、そして伸び盛りの桑で、それぞれ、爽やかな草色や力強いピンク色、柔らかな真珠色が染まってくれました。
夏の日差しが厳しく暑い中、参加者の皆さんは日に焼けるのも忘れて染めた色を風に当て日に透かして色を見つめます。真夏の太陽に育まれた植物から染めた色は、絹の光沢を帯びて太陽の下で一段と美しく輝きます。
小管立てにたくさん並んだ色の中から、好きな色を選び織り入れられるのもワークショップの醍醐味。紫根や藍、クサギに紅花、アルスでもとても大事に染めている色が揃っています。
夏のある日、偶然集った仲間と機を並べて裂を織る。
裂に広がる一人一人の違う色遣いに、歓声や様々な感想が集まり
どの個性も素敵に思えるのは染織の素晴らしいところです。
織り上げた裂と共に、この夏の出会いが大切なものになることを願っています。