【開催報告】「個人の希望とカイゼンが組織を変える~男性育休取得100%、パラレルキャリアを実現した働き方改革」公開イベントを開催しました!
2024年8月22日、コミュニティ公開イベントとして「個人の希望とカイゼンが組織を変える~男性育休100%、パラレルキャリアを実現した働き方改革」を開催しました。
社員10人の組織形態。ひとりひとりの働く役割・業務・抱える仕事量が多くなるイメージがある組織規模感ですが、そのような環境下で社員個人の「多様な働き方」は果たして実現するのでしょうか?
今回のスピーカーにお迎えした黒田淳将(くろだあつまさ)さんが在籍している空き家買取専科(株式会社Sweets Investment )も、そのような小さな組織ではありますが、社員個々人の多様な働き方を実践しています。
多様な働き方をどのように創ってきたのか、そのプロセスをお聞きします。
1. 空き家買取専科(株式会社Sweets Investment )という会社の事業について
黒田さんからは、空き家買取専科とはどんな会社なのか、事業について詳しくお話いただきました。空き家買取専科は、地域に存在する使われなくなった不動産を買取り、リノベーションして価値あるものに変え、再販売をするという事業をおこなっています。
古い空き家を抱えてしまっているだけでは不動産所有者にとっては資産にならず、建物を壊す・崩すにもお金がかかるという課題があります。そして空き家があるということで地価が下がってしまう可能性があり、地域の魅力も低下し、この地域に住みたい人が少なくなってしまうことにもつながりかねません。
空き家があるということはその自治体にとっても影響が及んでくる状態にあります。空き家買取専科が入ることで、在るものに目を向け価値を見つけて、手を加えることで家は生まれ変わり、次世代へと引き継がれていきます。創業以来延べ300件以上の再生を実現しています。
また、社会の課題にもなろうとする空き家を減らしたいという想いをもっているため、8月2日を「空き家ゼロにの日」と設定し、様々な企業や団体の賛同を得ながら連携し、空き家をゼロにするための啓蒙活動もおこなっています。
そして、空き家買取専科としては、空き家を軸にビジネスを創りながらも、会社そのものの働き方も豊かにしていこうという指針をもち、さまざまな働き方改革に取組んできました。
2. 黒田淳将さんの「働く」への姿勢
以前は労働金庫で働いており、30歳を目前に仕事を辞め、何をはじめようかと思った中で、空き家買取専科(株式会社Sweets Investment)に出逢いました。会社としてはこれから事業を創る過程にあり、ゼロから組み立てていく環境にありました。
黒田さんご自身もまさにゼロから仕事を始めるという現在地とも合致しており、「『これまでのやり方』というものがない中で、新しいものを創る」という挑戦するマインドが、仕事においても働き方においてもあったのだということが理解できました。
「いかに効率よく働くことができるだろうか」
「どのように楽をして(無駄がなく)働くことができるだろうか」
「仕事が終わったら早く帰る、という状態にしたい」
このような想いをもって働き始めた黒田さん。
当時はパートの方も含めて社員4人しかいない中で、皆に働きかける言葉がありました。
「小さいことでも”より良くできる”ことから始めていこう」
会社を良くするために、ここにいる誰もがそれを考えられ、実行できる-。
そんな小さなカイゼンをおこなっている人と内容を称え、「会社に対してここにいる誰もが影響を与えることができる」という状態があることを理解してもらう機会を増やしていきました。
「それからこのカイゼン研修が始まっていきました。社員の皆に、今気になっていることやモヤモヤがあったらスプレッドシートに出してもらい、出来る人が取り組んでいくということをやっていた時期もありました」
「自分の業務の棚卸表を作成し、何の仕事にどのくらい時間がかかっているかを可視化していきました。これがあると実際にどんなタスクに1日何時間かかっているのか、それが週何時間・月何時間・年間何時間かかっているのかが予測出来ていきます。その結果これだけ多くの時間を費やす業務がカイゼンできたとしたら、もっと効率よく働くことができる可能性があるわけです。例えば、僕がやるこの業務を違う人にお願いするということもできるかもしれませんし、内部ではなく外部に頼むということもできるかもしれません。いずれも一番時間がかかっている仕事を効率化できるのではないか?という視点をもつことが必要です」
黒田さんの業務カイゼンにおける視点の徹底さと、それに呼応する取組みを実際におこなってきている経過を知ることができました。
「カイゼンをしていけるという土台のマインドや会社の雰囲気の醸成が一番大事だと思っています。カイゼンは大変なことではないんだ、小変(しょうへん・ちいさくかわる)なんだということを言っています。周りのことをこんな風に小さく変えられるのであれば、自分で自分の仕事や働き方だってもちろん変えられるということを分かってほしいんですよね」
ここにとても共感するのは、仕事も働き方も会社が用意してくれるものではなく、本質的には、自分でどちらも創れるということでした。そしてそこに気がつく機会というものを会社が用意するだけでよいのかもしれないということです。
黒田さんのマインドとしてあったカイゼンの考えを、周りに伝え、拡げていくことで組織内部そのものが「カイゼンできる、小さく変えられる」というマインドと行動に繋がっていったというプロセスがあることを理解しました。
3. 以降のレポートについて
これ以降のレポートについては、小さな組織の働き方を学び合うコミュニティ CAMPFIREコミュニティ (camp-fire.jp) のコミュニティメンバーにジョインしていただいたら読むことが可能です!
メンバー4人、店長という役職付き、黒田さんが男性育休をどのように取得したのか
育休の取り方の知識・工夫
働き方をカイゼンした実行・工夫
黒田さんを含めた社内では様々な人が会社以外にも働く場を持っており、社員それぞれのパラレルキャリアの実践状況
組織はいま、どんな方向性に向かっているのか
小さな組織の働き方の多様さについて、その実践を共に学び合う機会になれたら幸いです。
▼小さな組織の働き方を学び合うコミュニティについて・ArrowArrowから発信した内容